出版社内容情報
人工呼吸装置をはずすのは是か非か!死という極めて個人的な問題を権利として主張する激しさと痛切さ。アメリカの経験を振り返る。
1975年のカレン・クインラン事件から1990年のクルーザン事件まで、主として裁判事例を中心にアメリカでの「治療停止」をめくる問題群の推移を追ったもの。前著、『生命倫理の成立』の続篇であるが、独立したノンフィクションとしても読める。煩瑣な裁判記録を丁寧に読み込み、社会的な背景、生命倫理学者の主張等々を鮮やかに叙述する。
[関連書] 同著者 『生命倫理の成立』(勁草書房刊)
Ⅰ カレン・クインラン事件
第一章 事件の始まり
第二章 二つの解釈:ロスマンとスティーヴンス
第三章 訴訟への道:カトリックの教えと医療過誤
第四章 脳死概念の法的受容
第五章 戦略の変更:信教の自由、代理判断、プライバシー権
第六章 被告側の主張
第七章 医師の証言
第八章 家族の証言
第九章 州高裁判決と生命倫理の自己規定
第一〇章 州最高裁判決
Ⅱ 生命倫理の転回
第一一章 クインラン事件以後:病院ガイドライン、自然死法、サイケヴィッチ事件
第一二章 密室から法廷へ:成人の治療停止問題
第一三章 治療停止の政治学:有能力者、ベビー・ドゥ規則、クルーザン事件
第一四章 死ぬ権利と生命倫理の転回
註
あとがき
引用文献表
人名索引/事項索引
内容説明
人工呼吸装置をはずすのは是か非か。「死」という極めて個人的な問題を権利として主張する激しさと痛切さ。アメリカの経験を振り返る。
目次
1 カレン・クインラン事件(事件の始まり;二つの解釈:ロスマンとスティーヴンス;訴訟への道:カトリックの教えと医療過誤;脳死概念の法的受容 ほか)
2 生命倫理の転回(クインラン事件以後:病院ガイドライン、自然死法、サイケヴィッチ事件;密室から法廷へ:成人の治療停止問題;治療停止の政治学:有能力者、ベビー・ドゥ規則、クルーザン事件;死ぬ権利と生命倫理の転回)
著者等紹介
香川知晶[カガワチアキ]
1951年北海道北見市に生まれる。1981年筑波大学大学院博士課程哲学・思想研究科単位取得退学。山梨大学医学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。