出版社内容情報
近代以降支配的になった自然観では、自然物は因果法則に従って機械的にふるまうと考える。心も因果の秩序に組み込まれているのだから一種の機械として説明できるはずだ。これが認知科学や多くの心の哲学がとっている立場である。だが、もし心が機械なら、どうやって表象することができるのか。表象とは、何かを意味したり、思い浮かべたり、映したりすることの総称である。ここでコンピュータがヒントになる。コンピュータは因果法則に従う機械であると同時に、表象を操作しているからだ。本書は心身問題や他者問題から説き起こす類書と異なり、その
【目次】
序章 心という機械
機械的世界像
心
第1章 表象のパズル
表象の概念
絵と類似
言語的表象
心的表象
思考と意識
志向性
ブレンターノ・テーゼ
結論:表象から心へ
第2章 思考者とその思考を理解する
心身問題
他人の心を理解する
思考の因果的見方
常識心理学
思考の科学―消去か立証か?
理論対シュミレーション
結論:表象から計算へ
第3章 コンピュータと思考
適切な問題を立てる
計算、関数、アルゴリズム
チューリングマシン
符号化と記号
関数の例示と関数の計算
自動的なアルゴリズム
考えるコンピュータ?
人工機能
規則の表象によって思考を捉えることができるか
中国語の部屋
結論:コンピュータは考えることができるか
第4章 思考のメカニズム
心はそっくりコンピュータでありうるか
思考の言語
構文論と意味論
思考の言語の論証
思考の言語の問題点
「脳型」コンピュータ
結論:計算と心
第5章 心的表象を説明する
還元と定義
概念的な定義と自然主義的な定義
心的表象の因果説
誤りの問題
心的表象と、行為における成功
心的表象と生物学的機能
還元と定義に対する反論
結論:ここまでの話
エピローグ
読書案内
注
監訳者解説
索引
内容説明
心が因果法則に従う自然の一部なら、どうして表象するということがありうるのか。思考と心的表象の問題を軸に、分り易く解説。
目次
序章 心という機械
第1章 表象のパズル
第2章 思考者とその思考を理解する
第3章 コンピュータと思考
第4章 思考のメカニズム
第5章 心的表象を説明する
著者等紹介
クレイン,ティム[クレイン,ティム][Crane,Tim]
1962年イギリスのオクスフォード生まれ。ダラム大学、ヨーク大学、ケンブリッジ大学で学び、1989年、ケンブリッジ大学で博士号を取得し、現在、ロンドン大学の講師である。心の哲学を中心に、物理主義、知覚の問題、心の因果性などについての論文を発表している
土屋賢二[ツチヤケンジ]
1944年生。お茶の水女子大学教授(哲学)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぃ
はすのこ
Yoshi
nchiba
やす