出版社内容情報
本書は1996年発行の放送大学の教材を全面改訂したものである。テーマは「知る」ことである。哲学の動機は、もともと自分がよく知っているはずのもの・ことについて改めて「~とは何か」と問うてみることにある。本書もそうした問いを設定し、「知る」ことの多様性と体系性を生活知・技術・科学・形而上学に分穎、順番に説明する。語り口は平明で具体例を多く取り入れ、丁寧に展開される。
【目次】
基礎と初歩―まえがきに代えて
第1章 「何?」という問い
1 人間にできること
2 「~の哲学」
3 哲学の問いの特徴
第2章 数学は確かか
1 学問の哲学?
2 数学の基礎論
第3章 哲学の意味は
1 論理学・数学基礎論研究の意味(1)
2 論理学・数学基礎論研究の意味(2)
3 科学と哲学の関係
4 形而上学の考え方
第4章 生活知
1 生活知の特徴
2 生活知の本質
3 行動と説明
4 経験至上主義とその難点
第5章 遂行知と説明知
1 遂行知と説明知―その比較
2 現実と説明
第6章 説明と原理
1 省略と変形の例
2 変形と省略の基準
3 原理と現実
第7章 「離陸」の性格
1 着陸のための離陸
2 離陸のための離陸
3 まとめ
第8章 理想による説明
1 第三の例
2 理想としての説明原理
第9章 説明のための説明
1 虚焦点としての原理
2 離陸のための離陸
第10章 中休みと寄り道
1 仮まとめ
2 英語にはなぜ冠詞があるのか
3 不定冠詞の働き
第11章 技術について
1 技術の諸相
2 科学と技術のちがい
第12章 科学的な説明
1 一般的・総体的・体系的な説明
2 原理の規範性
3 理念の降臨
第13章 科学革命について
1 クーンの科学革命論
2 パラダイムは問いを規定する
3 科学革命論をめぐる論争
第14章 垂直的説明と科学
1 自然科学の説明から落ちるもの
2 意味を抜いた描写
3 自然科学の垂直構造
第15章 実験と虚構
1 虚世界と実世界
2 虚構の不思議さ
3 虚構の成立条件
4 実験と虚構
第16章 水平的説明と形而上学
1 新たな問い
2 現実世界の未完結性
3 水平的な説明
第17章 形而上学に対する反応
1 形而上学に対する批判
2 論理実証主義
第18章 知的活動の分類
1 批判哲学について
2 これまでのまとめ―知識の分類について
第19章 傘モデル
1 哲学と形而上学
2 傘モデル
3 教養としての哲学
あとがき
用語解説
内容説明
日常生活の問いと哲学の問いはどこが違うのか。人間の知的活動を生活知・技術・科学・形而上学に分類し、その射程と限界を丁寧に解説する。
目次
「何?」という問い
数学は確かか
哲学の意味は
生活知
遂行知と説明知
説明と原理
「離陸」の性格
理想による説明
説明のための説明
中休みと寄り道
技術について
科学的な説明
科学革命について
垂直的説明と科学
実験と虚構
水平的説明と形而上学
形而上学に対する反応
知的活動の分類
傘モデル
著者等紹介
伊藤笏康[イトウシャッコウ]
1948年東京に生まれる。1978年東京大学理学系大学院科学史科学基礎論専門課程、博士課程単位取得退学。現在、聖徳大学人文学部教授。著書・論文に『科学哲学の現在』(共著、世界思想社、1999年)、「ロボットは考えるか」(放送大学研究年報、1987年)、「こと」の文法」(聖徳大学総合研究所論叢、1996年)。訳書にファイグル『こころともの』(共訳、勁草書房、1989年)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。