出版社内容情報
好評をいただいた前著の続篇。前著では言い足りなかったこと、読者の疑問に応えるなどした論点を加えた。全体は二部に分れる。第Ⅰ部「ことばと価値」はコミュニケーション論である。この部分は個々の現場を離れる点で迂回路であるが、人間を見つめ、明確な言葉へともたらすことが、結局は問題解決の近道になる。第Ⅱ部「個と共同」は、価値観の共生に関わる議論を行なう。医療の選択が問題になる場面では、医療のもっている価値観と人間観が問われざるをえない。著者は具体例をあげながら、どう考えるべきかを提起している。
医療方針の選択に関わる価値観・人間観の相克と共生
目次
序 臨床倫理の現場から
第1章 コミュニケーションの射程
1 コミュニケーションのかたち
2 記号
Ⅰ ことばと価値
第2章 語彙のネットワーク
1 対応姿勢の差異化としての分類ないし呼び分け―オノマ論
2 存在を語る語彙―レーマ論
3 価値を語る―テーマ論(続)
第3章 生をめぐる価値
1 <できる>こととしてのQOL
2 二つの価値観
第4章 意図と結果
1 延命と縮命の狭間にて
2 結果か意図か
Ⅱ 個と共同
第5章 言葉を交わし得る者である人間
1 <人間>はどのような対応姿勢の相手か
2 人格としての<私>の成立
第6章 共同行為の地平を拓く
1 行為の共同性
2 共同行為の構造
3 共同行為の倫理
4 ことばに共に与かる共同行為の現場へ
第7章 浸透し合う諸個人
1 自己決定の論理
2 個人主義・所有・選好功利主義
3 相互自立から相互浸透へ
注
あとがき
参考文献
索引
内容説明
医療方針の選択に関わる価値観・人間観の相克と共生。医療現場を記述する書記は、言葉と人間をめぐってどのような了解をもっていたのか。
目次
コミュニケーションの射程
1 ことばと価値(語彙のネットワーク;生をめぐる価値;意図と結果)
2 個と共同(言葉を交わし得る者である人間;共同行為の地平を拓く;浸透し合う諸個人)