出版社内容情報
本書は,哲学者と医療の専門家(医師,看護婦等)との対話によって生まれた。医療行為の目的,情報提供,緩和医療,尊厳死などをめぐる哲学者の新しい仕事である。
内容説明
本書は医師や看護婦やメディカル・ソーシャル・ワーカーが患者に向かう際の視点に立って書かれている。そうした視点に立って現場を把握し、「医療とは何か」、「医療の専門家は患者にどのように向かうべきか」といったことを根本的に考えることは、医療実践の専門家にとっては当然のことながら、医療について考えようとする者すべてにとっても少なくとも一旦はすべきことであろう。したがって本書は、医療の専門家ばかりでなく、医療について考えようとしているより広い範囲の方たちを、読者として想定している。
目次
第1章 記述することとしての哲学
第2章 より自由であることを目指して―医療行為の目的
第3章 医療者・患者の共同を通して―医療行為のプロセス
第4章 医療行為の倫理原則
第5章 真実を知らせることとしての告知―情報提供をめぐって
第6章 ターミナル・ケアと緩和医療
第7章 生死のコントロール―尊厳ある死と安楽死
第8章 死に向かう人間―時と永遠
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Schuhschnabel
3
通常の生命倫理の枠組みとは一線を画す書物である。医療の現場で使われている言葉に対して、哲学者の感性で切り込んでいく。明晰に書かれているのでよく読めば理解のだが、そこまでこだわる必要があるのかと思う箇所もあったりする。やっぱり医療者でも哲学者でもない自分が心から納得することはできないのだろうか?2017/06/20
uka
1
すとんと腑に落ちるところと、納得しきれないところがありましたが総じて分かりやすく、身になる本でした。とくにQOLのところはとても良かった。 そして最後のあとがきでやっと氏が見えてきた、そんな感じ。2015/06/07
s2s
0
2000。2001/04/11
すと
0
医療現場においてモヤモヤすることを少し理解できた気がする。もう少し考えてみようと思う。2021/05/21