内容説明
自己検証を通して、ソヴィエト・マルクス主義を脱し、いま、マルクス、グラムシ、ハーバマスなどの稜線を模索する。
目次
第1部 戦後思想の総括と転回(グラムシと「プラグマティズム」;構造改革論とルカーチ論;1960年代の思想的地平;新しい地平への転換)
第2部 現在の地平から(グラムシの哲学;ハーバマスの世界;新保守主義の思想)
感想・レビュー
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uehara
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1部は著者の自分史、過去の自著への批判的評注。スターリニズムや中ソ論争、グラムシ受容、唯物論研究会等々。関西の唯物論者(現『季報 唯物論研究』につながる)の歩みとしては興味深い。 2部はそうした自分史の展開をふまえて、実践的唯物論を明確にしたかたちでのグラムシ論、ハーバーマス論、ハイエク論。ハイエクと、ハイエクに近いとされるポパーに対しては、基本(Fテーゼの見地から)人間観の一面性を批判しているが、ポパーがマルクス思想の核心に人間の自由の実現(自己実現・人格の)をみていたことを知る。2024/05/24