出版社内容情報
(1)部では,ソシュール,パース以来の記号論の歴史が解説され,芸術記号論の様々な試み,方法が検討される。(2)~(5)部では各々,絵画・文学・映画を素材に解読の実際が示される。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
OKKO (o▽n)v 終活中
5
レポート「イコノロジーの理論と功罪」執筆のために、谷川渥執筆部分の「イコノロジー」精読。記号論についてよく理解していないので浅い読み方しかできないが、それでも、記号論からもパノフスキーのイコノロジーを断罪(とは言いすぎか)することができると知る ◆イコノロジーは今日でも有効かつ基礎的な美術史の方法論であって、レポートと割り切ってサラッと済まそうとしたものの、調べれば調べるほど、自分の言葉で語ろうとすればするほどその重要性が立ち上がる。私がイコノロジーを乗り越えるのはまだまだ、ま~だまだ先の話だ!2017/11/02
OKKO (o▽n)v 終活中
3
前半の加藤茂「記号と芸術」、谷川渥「絵画の解釈と記号論」のみ精読。記号論超初心者が二日間かじりついただけだがノート作ったので精読認定。後半「詩」「映画」は読まない可能性大にて読了認定 ◆いずれ読むかもと購入してから積読2年。ゼミで課せられた購読当番、1時間以上のプレゼンせねばなのになにがなんだかさっぱりわからず困り果て。先週のある日、「ハッこれはもしや記号論!?」と、積読から引っ張り出したらビンゴ。バルトが記号学者で今の私に必要なのは記号論でなく記号学であり、芸術作品はコード<メッセージってことだけは。2015/06/17
みか
1
数名の論者が寄稿しています。それぞれ、テーマが異なっているため記号論という分野の応用可能性を感じさせます。「記号とは何か」からはじまる記号論小史から、記号論を使用した詩の分析や絵画の解釈、映画の解釈まで幅広く扱っており、分析方法の定義とその実践的応用例といった構成です。入門・発展の一冊と言えると思います。2007/08/10
フクロウ
0
langueとparole、signifiantとsignifié、syntagmeとparadigme、dénotationとconnotationといった記号学の基本概念を押さえられた。signifiéは物自体でないことも。「記号は、それを反省してみると、われわれの諸経験を分節化し構造として現示するだけではなく、思考の一つの原理、枠組みとして諸知識を分節化し体系化する有力な武器にもなり、さらに社会生活における情報や意思の伝達と行動の相互主観的な道具として、現に有効に作用しているからである。」(13頁)2019/01/07