出版社内容情報
本書は,背景となる同時代の社会的特徴を的確にとらえ,カントの思想状況と思想的課題に生彩を与え次に批判期前カントに関するわが国最初の系統的・包括的研究となった。
目次
第1章 生い立ちとその時代
1 人間カント
2 家系
3 家庭の雰囲気
4 母親とピエティスムス
5 ケーニスベルク
6 フリードリヒ学院
7 大学生生活
8 『フリードリヒの世紀』
9 時代の思想状況
第2章 自然研究(Ⅰ)
1 独立宣言
2 綜合の企図
3 家庭教師時代
4 自然研究の意義
5 宇宙論の思考法
6 「危険な旅行」
第3章 自然研究(Ⅱ)
1 統一的宇宙像
2 宇宙進化論
3 宇宙における人類の位置
4 機械論と目的論
5 自然賛美
第4章 神の存在証明
1 大学私講師への就任
2 決定理由の原理
3 自由意志
4 神観の位置づけ
5 唯一可能の証明法
6 自然神学的証明の改良
第5章 転回
1 危機
2 社交生活
3 人間の自覚
4 学校形而上学の批判
5 「道徳的感情」
第6章 美と崇高
1 「観察者の目」
2 徳の諸相
3 メランコーリカー
4 女性論
5 精神病論
第7章 人間の使命
1 ルソーとの対話
2 転回の意義
3 講義プラン
4 『視霊者の夢』
5 英知界の構想
6 知恵の立場
人名索引
カント初期著作目録と索引
本書引用批判期著作索引