内容説明
爛熟するルネサンスの文化と思想を映す鏡、天才カルダーノは、百科全書的な知を網羅し、諸学に多大な影響を与えました。本書は、文学的な自画像である自叙伝という切り口から、この天才の多岐にわたる活動を統合し、その知のコスモスを描き出す壮大な試み。ルネサンス人の自己認識と世界観を知るための一冊。
目次
第1部 カルダーノとは誰だったのか?(カルダーノの生涯と仕事)
第2部 『わが人生の書』の研究(自叙伝『わが人生の書』とは?;自叙伝の形式と占星術;自叙伝にみる医学者ガレノスの影響;カルダーノと夢解釈;守護霊との対話)
第3部 『一について』の研究(秩序ある多様性『一について』の考察;翻訳カルダーノ『一について』)
補遺
著者等紹介
榎本恵美子[エノモトエミコ]
旧姓熊本。哲学史、ルネサンス思想史。東京女子大学文理学部哲学科卒業。神戸大学大学院文化学研究科博士課程単位取得退学
ヒロ・ヒライ[ヒロヒライ]
ルネサンス思想史。Early Science and Medicine誌副編集長。1999年より学術ウェブ・サイトbibliotheca hermetica(略称BH)を主宰。同年にフランスのリール第三大学にて博士号(哲学・科学史)取得。その後、欧米各国の重要な研究機関における研究員を歴任。現在、オランダ・ナイメーヘン大学研究員。2012年に第九回日本学術振興会賞受賞
坂本邦暢[サカモトクニノブ]
科学史、思想史。日本学術振興会特別研究員。2011年に東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学、2012年に博士号(学術)取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。