出版社内容情報
本書は、アリストテレス以来の論理学を根本的に革新し、現代論理学と現代哲学への道を切り拓いた記念碑的著作である。フレーゲが採用した変項と量化子という装置こそ、革新の中軸をなす。フレーゲの目的は算術を基礎づけることにあり、そのために新しい論理学を作り出した。この論理主義と呼ばれる立場を具体的に述べたのが『算術の基礎』(本著作集第2巻)である。本書には『概念記法』の他、「概念記法の応用」「ブールの論理計算と概念記法」「概念記法の科学的正当化について」「概念記法の目的について」等5篇を収める。
内容説明
現代論理学と現代哲学への道を切り拓いた記念碑的著作。
目次
概念記法―算術の式言語を模造した純粋な思考のための一つの式言語
概念記法の応用
ブールの論理計算と概念記法
概念記法の科学的正当化について
概念記法の目的について
ペアノ氏の概念記法と私自身のそれについて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
0
知の統一の試みをライプニッツの哲学計算に学ぶ著者の目指すところは、同時代のフッサール同様、科学の基礎づけの急務にあった。概念記法と日常言語の関係を顕微鏡と眼の関係に譬えた著者は、科学が急速に発展する時代にその基礎となる言語の必要を感じ、論理学の記号的記述法に「算術の式言語」を導入する。命題関数、数学的帰納法、量化理論での二段階の量化等、数学の基礎づけの探究から導出された独自の記法は、身体と共にあり環境の影響が及ぶ眼ではなく、データの取れる定常空間としての室内にセットされる顕微鏡で観察可能な世界を創造する。2017/02/07
のほほんなかえるさん
0
難解である。しかし、それは多分「慣れ」の問題が大きいから。隙が多く作られているようにみえるシステムはそれだけ多くのものをとりこもうとする余地と見える。2011/08/16