出版社内容情報
はたして温暖化は抑止できるのか? 絶望以外の途は? 環境思想が新たな教養として、21世紀を生きる私たちのスタンダードとなる。
「地球にやさしい」ってどういうこと? 私たちの足元にある「自然」を見つめ直すには? しかし日本では環境思想をめぐる議論が広がらないまま。この「知の空白」を埋めるため、哲学、倫理学、政治学、経済学、社会学、美学、文学、社会実践など多様な観点から、問題群の基底に迫る。地球温暖化の時代を生きるための入門書。
【目次】
はじめに
Ⅰ 哲学と思考
第1章 自然――E. マリス[青田麻未]
第2章 ディープエコロジー――A. ネス[根本志保子]
第3章 ダークエコロジー――T. モートン[橋本 努]
第4章 植物と生――E. コッチャ[青田麻未]
Ⅱ 倫理と社会
第5章 都市と自由――M. ブクチン[熊坂元大]
第6章 エコロジズム――A. ドブソンとB. バクスター[斉藤 尚]
第7章 環境と徳――ファン・ヴェンスフェーン / R. ハーストハウス / R. サンドラー[熊坂元大]
第8章 エコフェミニズム――C. マーチャント / 青木やよひ/上野千鶴子/ C. ワレン[橋本 努]
第9章 加速化社会――H. ローザ[小田和正]
第10章 コモンズと地域社会――J. リフキン[斉藤 尚]
Ⅲ 気候と政治
第11章 プラネタリー・バウンダリー――J. ロックストローム[根本志保子]
第12章 気候工学――エンジニアたちの提案[桑田 学]
第13章 熟議民主主義――J. ドライゼク[田中将人]
第14章 気候正義――誰がどれだけの責任を負うべきか[田中将人]
第15章 ガイア(地球)――B. ラトゥール[橋本 努]
第16章 ドイツ緑の党――五つの思想潮流[岩熊典乃]
第17章 アース・デモクラシー――V. シヴァ[橋本 努]
Ⅳ 経済と体制
第18章 気候経済学――W. ノードハウス[後藤玲子]
第19章 脱成長――M. シュメルツァー/ A. ヴェッター/ A. ヴァンシンジャン[桑田 学]
第20章 エコ社会主義(1)――A. ゴルツ[海 大汎]
第21章 エコ社会主義(2)――J. フォスター[海 大汎]
第22章 エコ社会主義(3)――D. ペッパー/ S. ショルカル/ M. レヴィ[橋本 努]
第23章 定常状態――H. デイリー[橋本 努]
Ⅴ 想像力と実践
第24章 人新世――地球的危機を歴史化する[桑田 学]
第25章 環境文学――M. クライトン/ K. S. ロビンスン/池上永一ほか[橋本 努]
第26章 日常美学――Y. サイトウ[青田麻未]
第27章 問題解決のためのアクション――G. ウィルソン=パウエル/ J. ドーア/ R. アンダーソン[橋本 努]
あとがき
執筆者紹介