出版社内容情報
科学は古代ギリシアの学理を11世紀キリスト教神学の路線上で復活させた思考法にほかならない。近代の科学的思考様式の基盤に迫る。
科学は古代ギリシアの学理を11世紀キリスト教神学の路線上で復活させた思考法の所産にほかならない。ゼノン、アナクサゴラス、アンセルムスらの遺産を読み解き、近代科学的思考様式の基盤に迫る。『時間の民族史』、『神学と科学』、『時間の思想史』に続き、中世ヨーロッパの神学と近代科学の関係をめぐる科学史研究の集大成。
内容説明
科学は古代ギリシアの学理を11世紀キリスト教神学の路線上で復活させた思考法の所産にほかならない。ゼノン、アナクサゴラス、アンセルムスらの遺産を読み解き、近代科学的思考様式の基盤に迫る。
目次
緒論 科学の客観性を基礎づける議論
第1章 ギリシア的学理の基盤崩壊と不可抗的逆理(逆説的な諸論証の実像と未来時制の根拠;逃走者の永続的な先行と瞬間速度の発見;革新的な運動論の破綻と学理復活の方途)
第2章 伝統的自然理解の換骨奪胎と定量的自然論(諸性質の定量的な表現と生成消滅の否定;創成前の無規定な宇宙と秩序形成の過程;ヌースの合理的な支配と回帰現象の解明)
第3章 ヨーロッパ中世の神学革命と存在論的証明(伝統的な聖体観の批判と神学論争の進展;実証性の体験的な基盤と信仰箇条の演繹;西欧的な共同体の紐帯と千年王国の預言)
第4章 間主観的客観性の成立基盤と遠近法的過去(諸空間の総合的な統一と経験認識の構造;視点間の対称的な関係と相互変換の一致;基準系の相対的な自律と間主観性の死角)
補論 信仰の姿勢表明と二階層の理解
著者等紹介
瀬戸一夫[セトカズオ]
1959年生まれ。2002年山崎賞受賞。2004年日本フィヒテ協会賞受賞。現在、成蹊大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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