出版社内容情報
あまりに常識的で、不道徳な問い? 哲学・倫理学上の難問をめぐる多様な立場を俯瞰し、実践理性の観点から一つの回答を提示する。
古代ギリシアまで遡るWhy be moral?問題は、「プリチャードのジレンマ」の定式化以降、擬似問題であるとの批判や自己利益・人生の意味に基礎づける様々な解釈が提起され、日本でも論争となった。本書は道徳的であるべき理由をめぐる倫理学上の立場を検討し、実践理性の観点を擁護。実践的かつ常識的真理を疑う難問への招待。
内容説明
自己利益のため?そもそも、そんなこと問うこと自体が無意味?人生の意味?さまざまな論点を解きほぐし、哲学史上の「難問」へといざなう。「道徳的であるべき理由」をめぐる倫理学の冒険。
目次
序 「なぜ道徳的であるべきか」を問う意義
第1部 Why be moral?問題とは何か(問題設定の難しさ)
第2部 Why be moral?問題の前提を問い直す(道徳的でなくてもよいという立場;道徳的であるべきだが、道徳的であるべき理由は存在しないという立場)
第3部 自己利益の観点からの理由(ホッブズ主義;道徳と自己利益の調停;現在地点の確認:プリチャードのジレンマをどう解釈すべきか)
第4部 実践理性の観点からの理由(人生の意味;他者の利益;自律;実践理性それ自体;道徳的であるべき理由としての実践理性)
日本でのWhy be moral?論争
著者等紹介
杉本俊介[スギモトシュンスケ]
1982年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、名古屋大学大学院情報科学研究科で修士号(情報科学)を取得し、京都大学大学院文学研究科で博士号(文学)を取得。現在、大阪経済大学経営学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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