内容説明
特定の宗教の立場に立たずに、宗教について語る「宗教史学」。そこではキリスト教も「未開宗教」も同じカテゴリーに入れられる。この近代西欧的な学問が、もっとも明確な形で生まれたのは、カトリックの総本山ヴァティカンを抱くイタリアの地、宗教史学者のR・ペッタッツォーニによってであった。時代はムッソリーニ政権下…。
目次
第1部 宗教史学誕生までの道程(ペッタッツォーニの生涯と著作;モデルニズモ・イタリアーノ―宗教史学とローマ・カトリックの関係;ペッタッツォーニ宗教史学の萌芽―『サルデーニャ原始宗教』読解から)
第2部 宗教史学講座の設置とファシズム(宗教史学講座の設置をめぐって;ファシズム期のイタリア宗教史学)
第3部 最高存在研究―ペッタッツォーニ宗教史学の基幹(最高存在研究の系譜;最高存在をめぐる事例研究)
第4部 宗教史学と宗教運動(「あらゆる現象は生成物である(ogni phain´omenon `e un gen´omenon)」―ペッタッツォーニ宗教史学の基本原理
ペッタッツォーニ宗教史学の継承―デ・マルティーノの宗教論
学問の自由と宗教の自由―宗教史学がもたらしたもの
ペッタッツォーニ宗教史学と宗教運動―結論に代えて)
著者等紹介
江川純一[エガワジュンイチ]
1974年、福井県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。大学院在学中にイタリア政府奨学生として国立パヴィア大学大学院に留学。現在、東京大学大学院人文社会系研究科研究員・同宗教学研究室教務補佐員、立教大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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