内容説明
現代の心の哲学で主潮流をなす広義の心脳同一説に抗し、心を因果性や法則性でなく合理性の秩序のうちに位置づける「解釈主義」の立場を擁護。解釈という観点から「命題的態度とは何か」という問いに答える。
目次
1 基本的枠組み(解釈とは何か;解釈主義とは何か―合理性の観点からの心の哲学)
2 内在的問題と可能性(解釈可能性と言語;解釈主義と消去主義;解釈の不確定性;解釈主義と自己知;解釈主義と不合理性)
著者等紹介
金杉武司[カナスギタケシ]
1972年埼玉県に生まれる。2003年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。現在、國學院大學文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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愛楊
6
博論本。解釈主義といえばデイヴィドソンかダメットであるが、この本はそれらの解釈主義を中心に扱っている。自分は言語について知りたかったので第3章まで読んだ。ダメットは進化論的自然主義者であるため、犬のような非言語的存在者にまで解釈可能性を認めるが、デイヴィドソンはそうではない。デイヴィドソンの言語的解釈主義は信念中心主義的であるため、誤表象(二階の信念)可能性に訴えて解釈可能性を言語的なものに絞るが、はたしてこれは正しいのだろうか。むしろ、そのようなものとして言語概念を工学しているのではないのだろうか。2025/12/16




