内容説明
宗教とは何か、なぜ人は宗教を信じるのか、信じてどうなるのか。根源的な問いを非宗教的な態度で論じる、宗教に初めて触れる学生に向けた概論書・入門書。
目次
第1章 はじめに:宗教の普遍性
第2章 宗教とは何か:常識を疑い、吟味する
第3章 宗教概念批判とその吟味
第4章 宗教と非宗教の境界
第5章 信じるとはどういうことか
第6章 宗教の構成要素
第7章 宗教の機能
第8章 宗教の諸理論
著者等紹介
宇都宮輝夫[ウツノミヤテルオ]
1950年生まれ。1976年北海道大学大学院博士課程宗教学中退。文学修士。室蘭工業大学助教授、北海道大学助教授を経て、1995年より北海道大学文学部教授。専門は宗教社会学、死生学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソーシャ
2
元は医療従事者向けの講義をきっかけに生まれた宗教学の入門書。入門書ですが「宗教とはどのようなものか」を中心に内容の濃い議論が展開されていて、結構読むのに時間がかかる本です。学説に対する批判がピリリと効いているのも面白かったですね。2015/05/02
ELAT
0
宗教学入門書。まず宗教に関する思い込みや誤解を解き、その後、宗教の妥当性の高い定義、宗教の属性、機能、人はなぜ信じるのかということなどを論じ、最後の章では数人の学者の論をまとめている。筆者はエミール・デュルケムの影響を比較的強く受けているようである。やや屁理屈っぽいと感じる箇所もあったが、全体的に見ると諸宗教を含む具体例が多く挙げられているため分かり易く、また幅広い事柄に関し論理的に展開されているので説得力がある。かなり良い入門書ではないか。2014/10/02
いまにえる
0
宗教学の入門書で言葉は平易だが理解するのは結構難しい。宗教の定義の問題からなぜ今尚信じられているかなど根本の問題にぶち当たっている。「現代は神なき時代ではあるが、無宗教とは正反対の時代である。」がエッセンスなのかなと個人的に思った。人間誰しも、普段宗教とはこうである、と考えている性質を持っているからこそ宗教は存在し続ける。人間がある限り宗教は存在し続けるのだろう。アイドルなどの説明にも有効だと思う。2018/01/17