内容説明
倫理への道にエゴイズムの影を落とす「異教」概念。その思想史的由来とレヴィナスにおける多元的意義を、精緻かつ鮮やかに解明していく。「西洋哲学」の自明性を問う探究の書。
目次
序論 「異教」の問いとレヴィナス
1 「異教徒」、翻訳史と語源論争(ヘブライ語―タナッハにおける‘〓amとg〓oj;ヘブライ語からギリシア語へ―七〇人訳聖書における‘〓amとg〓ojの曖昧さの修正;ギリシア語―新約聖書:キリスト教徒、ユダヤ教徒、異教徒;ラテン語―ウルガタ訳における「異教徒」;ラテン語内部での変遷;近代語における「異教徒」)
2 西欧精神史における異教批判の歴史(前史―不道徳な神々の批判と自然神学批判(プラトン)
聖書にみられる異教批判の基本的議論
古代護教論
護教論の変化と異教概念の形式化
啓蒙以後の宗教論の変遷と異教概念の変化
ドイツにおいても再び形而上学化された宗教論における異教)
3 レヴィナスにおける異教概念(護教的パガニスム概念の受容?―レヴィナスとマリタン;了解とは別の仕方で―異教的実存様態の対蹠点;存在者の文明論的諸様態―ユダヤ、キリスト教西欧、異教;異教の両義性;「パガニスムの危険」の消失と非場所の思想)
補章 自然法とノアの命法―レヴィナスにおける自然概念(の不在)とその帰結
著者等紹介
馬場智一[ババトモカズ]
1977年長野県生まれ。早稲田大学教育学部英語英文学科卒。一橋大学言語社会研究科博士課程単位取得退学、論文博士(学術)。ソルボンヌ‐パリ第四大学DEA課程修了、同博士課程留学(仏政府給費留学生)、同客員研究員を経て、日本学術振興会特別研究員(PD)。専門は哲学、倫理学、混成語論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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