内容説明
法哲学・憲法学・政治哲学界の巨人ロナルド・ドゥオーキン。賛否渦巻くその主張を多角的に掘り下げる日本初の論集。H・L・A・ハートらとの法哲学論争、ジョン・ロールズの正義論にも比せられる独創的な平等論―。はたして彼は何を批判し、何を提唱するのか。
目次
はしがき ロナルド・ドゥオーキンとは誰か?
序章 ドゥオーキンの法哲学と政治哲学
第1章 法哲学・政治哲学における記述と実践
第2章 メタ倫理学はどのように規範倫理学なのか?―ドゥオーキンのアルキメデス主義批判とその射程
第3章 ドゥオーキンのリーガリティ論
第4章 法は解釈的実践とは限らない
第5章 法をめぐる見解の不一致
第6章 原理中心の法理論の特徴と可能性―法実証主義とドゥオーキンの対比から
第7章 政治的責務と憲法―“法の共和国”の試みとして
第8章 ドゥオーキンの帝国―なぜドゥオーキンはグローバルな正義に沈黙するのか
第9章 ドゥオーキンは平等主義者か?
著者等紹介
宇佐美誠[ウサミマコト]
東京工業大学大学院社会理工学研究科教授。法哲学専攻
濱真一郎[ハマシンイチロウ]
同志社大学法学部教授。法哲学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inu
1
『法の帝国』を読み切った勢いで再読2021/02/23
スズキパル
1
ロナルド=ドゥオーキンに関する日本初の論文集。H.L.A.ハートとの論争に代表される法実証主義批判や、政治哲学の分野における「資源の平等」の理論など、彼の功績は多岐に及んでいる。法の裁定機能や論証的な性質を重視した司法中心主義的な法理解や、「平等な尊重と配慮」の権利の適用における国家主義的な偏狭さは本書の中でも批判されているが、ルール以上の意味を持つ「原理」を、法と道徳の関係を考える上での中心概念として提示しているのはとても新鮮で興味深い。2013/10/06
-
- 和書
- 謡曲入門 講談社学術文庫