出版社内容情報
フッサール現象学は、認識や実践といった経験をその経験に内属した視点から分析し解明する試みである。しかし、その過程で用いられる実在・時間・自我などの諸項は、現象学的分析自体からは導き出せない、外部から持ち込まれたもののように見える。そのために、従来さまざまな批判がなされてきた。
本書では、文献学的にフッサールを解釈するのでなく、現象学的分析そのものを徹底して行う。経験を「速度性」という動的な時間の推移によって捉えることで、これら諸項の意味と位置づけを明らかにするとともに、現象学の新たな全体像を提示する。
関連書:
斎藤 慶典 『思考の臨界』(小社刊)
Ⅰ 内属性という視点──事物経験にかんする志向的相関理論
第一章 能動的認識行為の現象学
第二章 真理と実在
第三章 時間-内-存在──過去の志向性理論との対照
Ⅱ 経験の構造化──連合と時間性
第四章 感覚内容の構成
第五章 時間性
第六章 「時間形式-時間内用」図式の解明
第七章 体験流の構成──想起の現象学
第八章 デカルト図式の反転──現象学的還元と現象学的分析
Ⅲ 自我という問題──他我・歴史・文化
第九章 他者と客観的世界
第十章 歴史と文化的規範
第十一章 反省論と自我論的構図
第十二章 現象学というシステム
おわりに 現象学の読解
註
あとがき
引用文献表
索引
内容説明
フッサールへの誤解はどこからくるのか?従来弱点と思われた実在・時間・自我などをめぐる錯綜を解き、「動的不均衡」としての日常の経験構造を鮮やかに取り出す。
目次
1 内属性という視点―事物経験にかんする志向的相関理論(能動的認識行為の現象学;真理と実在;時間‐内‐存在―過去の志向性理論との対照)
2 経験の構造化―連合と時間性(感覚内容の構成;時間性;「時間形式‐時間内容」図式の解明;体験流の構成―想起の現象学;デカルト図式の反転―現象学的還元と現象学的分析)
3 自我という問題―他我・歴史・文化(他者と客観的世界;歴史と文化的規範;反省論と自我論的構図;現象学というシステム)
著者等紹介
貫成人[ヌキシゲト]
1956年神奈川県に生まれる。1985年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、専修大学文学部教授
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