出版社内容情報
コンディヤックはフランス18世紀の哲学者。ルソー、ディドロと年齢的に近く、ダランベール、ドルバックらとも交流があった。この時代の啓蒙主義者に共通するが、イギリスのロックやニュートンの影響を受けている。コンディヤックの哲学は一言でいえば「感覚論」である。人間の観念や思考は全て、受動的な感覚経験から再構成できるとする立場である。また観念や思考にとって決定的に重要なのが、言語と記号であることを強調したこともよく知られている。本書はコンディヤックの主著を参照しながら、彼の哲学を一種の科学方法論、心理学への理論的ア
内容説明
啓蒙の世紀を駆け抜けた巨人に対する、初の体系的・批判的読解。コンディヤックの中心課題を科学的方法論として解釈し、近代科学の成立史の中に位置づける。
目次
第1章 コンディヤックの問題圏
第2章 コンディヤックの分析的方法にまつわる諸問題
第3章 観念の成立
第4章 観念の成立への記号の関与
第5章 記号による観念の自由な扱い
第6章 体系における順序の問題
著者等紹介
山口裕之[ヤマグチヒロユキ]
1970年奈良県に生まれる。1999年東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻(思想文化)哲学専門分野博士課程単位取得退学。2002年博士(文学)学位取得。現在、日本学術振興会特別研究員
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感想・レビュー
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hakootoko
5
ル・ロワの心理学としてのコンディヤックへの批判は、ベルクソンの影響だろう。コンディヤックにおいて科学と日常的な認識との間には、程度の差はあるけど、本質の差はないと著者は読んでるけど、これは知覚に関してベルクソンが言ったことでもある。もちろん、それらが心理学に適応不可能だとするので、他方にベルクソンの記憶の理論(心理学、「人格や自由とは何か」的な)が出てくる。デリダと科学史家のアルバリーに従って、コンディヤックを科学哲学として哲学的に検討するのが本書の目的だが、2023/07/03
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