出版社内容情報
ウィリアム・ティンダルは1494/5年生まれ、1536年没。聖書をギリシャ語・ヘブライ語原典から初めて英訳した人である。カトリック側の弾圧によってヨーロッパ大陸に亡命、住居を移しながら、翻訳・公刊を続けた。やがて神聖ローマ帝国の官憲に捕えられ、1536年異端の科で焚刑にされた。1611年のいわゆる欽定訳がティンダルに大きく依拠していることも含め、その後の宗教史、社会史、英語史等に与えた影響は計り知れない。にもかかわらずこれまでまともな伝記がなかった。本書は久々に現れた本格的な評伝である。著者はシェイクスピ
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内容説明
宗教改革の最中、「聖書を原典から英語に翻訳する」、それだけのことがもちえた巨大な歴史的貢献を余すところなく描き尽くす。16世紀以降の英語史・宗教史・社会史に計り知れない影響を与えた改革者の実像を再建する。
目次
1 翻訳者の形成(グロスターシア;ティンダルのオクスフォード;ケンブリッジ、そしてまたグロスターシア)
2 ギリシャ語から英語へ(ロンドンへ;ケルン、一五二五年;ヴォルムス、一五二六年)
3 弾圧と論争(『悪しきマモン』;ティンダルとイングランドの政治;『キリスト者の服従』;サー・トマス・モア)
4 ヘブライ語と旧新約聖書(ティンダルの五書;一五三四年の新約聖書;『マシューの聖書』)
5 殉職者(ヘンリー・フィリップスの登場;裁判と処刑)
著者等紹介
ダニエル,デイヴィド[Daniell,David]
オクスフォードで英文学を神学を学び、次いでテュービンゲン大学に留学。ロンドン大学(University College)教授となって主としてシェイクスピア研究を担当。現在は同名誉教授。英語訳聖書についても論文を多く発行している。ティンダルの聖書の現代語綴りの復刻版を編集・発行(文献表参照)。ウィリアム・ティンダル五百年記念財団創設者の一人。最近作られたティンダル協会の会長
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感想・レビュー
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北条ひかり
takao