出版社内容情報
三部構成によりフッサール現象学の全体像を描く。第(1)部は思想的源流,第(2)部は内部構造,第(3)部は継承者の評価と今後の展望を語る。
内容説明
数々の誤解にさらされたフッサール現象学の全体像を根本から回復する。緻密な文献研究と旺盛な哲学精神の稀にみる合体。
目次
1 フッサール現象学の五つの源流(事象そのものへ マッハ;志向性 ブレンターノ;イデアリテート・アプリオリ・本質/形相 ロッツェ・ボルツァーノ・ライプニッツ ほか)
2 現象学の全体構造(対象の構成;世界の構成)
3 意識の自然(ハイデガーと存在;フィンクと世界;メルロ=ポンティと肉 ほか)
著者等紹介
谷徹[タニトオル]
1954年愛知県に生まれる。1985年慶応義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1998年博士(文学)東北大学。現在、立命館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さえきかずひこ
10
ハイデガーらを通じ20世紀後半の仏国哲学に甚大な影響を与えたフッサール現象学の入門書かつ研究書。本文687ページ2段組で註の内容も濃いので読むのは骨が折れましたが、他の現象学入門書がよく理解できない場合はこれをお勧め!第1部では最重要概念である現象学的還元について、先行研究やフッサールの思索の変遷をしっかりと踏まえながら解説、第2部では彼の理論的齟齬を補いながら、現象学の理論モデルを詳述。第3部が肝で現象学の限界を指摘しつつ、その可能性を控えめに提示します。ぜひ、事象そのものへの旅を味わってみてください!2019/10/18
Bevel
1
この本は三部構成からなる。想像しただけで目頭が熱くなるくらいの膨大な文献を使ってフッサール哲学の成り立ちを追い、それを通して彼の使う言葉の意味を丁寧に解説する第一部。さらに、第一部の成果を生かして、生涯書きかえられ続けたフッサール哲学の発展を体系的にわかりやすく叙述する第二部。最後は、他の人間の応答を踏まえてのフッサールの他者論とその向こうについて語る第三部。この本のいいところは、とにかくわかりやすいところ。「これさえ読めばいい」ってわかってたからこそ、二段刷り700ページは自分との戦いだった。よかった。2010/03/27
Seita
0
第Ⅱ部の要約のみ。谷さん、相変わらずわかりやすい。わかった気になって要約のみで満足してしまった。フッサールにかかわる文章は「なるほど」と思うことがとても多いのだが、なぜかその文章から自分なりの思考が始まらない。この点、レヴィナスとは違う。2017/06/06
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