意味の限界―『純粋理性批判』論考

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  • サイズ A5判/ページ数 367,/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784326100699
  • NDC分類 134.2
  • Cコード C3010

出版社内容情報

現代イギリスの哲学者ストローソンによるカントの読解である。カントとストローソン
の取り合わせは一見奇妙である。カントは超越論哲学者、ストローソンは経験論の伝統に
立つ日常言語学派の旗手であるから。とはいえ両者の関心は似ている。理論を考える時「経
験的な適用条件を特定できない観念を用いて思考すること」を共に厳しく斥けている。ス
トローソンは、現代的観点からカントの中で活かせる論点は積極的にとり出そうとする。
その作業は、しかし、気楽な文献解釈といったものではなく、自らの哲学を賭した壮絶な
もので

目次

Ⅰ 概説

Ⅱ 経験の形而上学

1 空間と時間
2 客観性と統一
3 持続性と因果性

Ⅲ 超越的形而上学

1 仮象の論理学
2 霊魂
3 宇宙
4 神

Ⅳ 超越論的観念論の形而上学

Ⅴ カントの幾何学論

訳註
訳者解説
訳者あとがき
索引  

内容説明

「経験の不可欠な構造」についての分析的な議論を、「学的ファンタジー」から解き放って再構成する。カントを現代に生かす思索の書。

目次

1 概説(『批判』の二つの顔;経験の形而上学 ほか)
2 経験の形而上学(空間と時間;客観性と統一 ほか)
3 超越的形而上学(仮象の論理学;霊魂 ほか)
4 超越論的観念論の形而上学(諸理説;いくつかの問い ほか)
5 カントの幾何学論(理論およびその批判者達;物理的幾何学と現象的幾何学 ほか)

著者等紹介

ストローソン,P.F.[ストローソン,P.F.] [Strawson,Peter Frederick]
1919年ロンドンに生まれる。オックスフォード大学に学び、現在、同大学モードレン・カレッジ教授

熊谷直男[クマガイタダオ]
1923年岩手県生まれ、東京大学文学部卒。北海道大学、お茶の水女子大学、日本大学、各教授を歴任

鈴木恒夫[スズキツネオ]
1949年札幌市生まれ、北海道大学文学部卒

横田栄一[ヨコタエイイチ]
1949年帯広市生まれ、北海道大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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田蛙澄

4
体系的に理解できたとはいえないとはいえ、時間空間の形式やカテゴリーを超越論的観念論の理説とは切り離して、経験の備えるべき一般構造として再構築するという試みは刺激的だった。特にカントが経験の一般的条件と当時のニュートン力学的原則を混同させてしまっている点や、アンチノミーが実際にアンチノミーになってるとはいえない点、超越論的観念論の物自体の触発と経験的実在論の物体の知覚の不整合、一方で幾何学論が現代の幾何学理解においても一定の位置を占めることができる点などの評価はとても示唆に富んでいて勉強になった。2018/07/08

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