感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Mc6ρ助
19
『それは、〈企業社会〉を〈近代家族〉が裏支えすることによって維持してきた再生産システムが機能しなくなりつつある、ということだ。・・言葉をかえると「子どもが小さいうちは家事・育児に専念する」という働き方だ。そしてそのような女性の働き方は、パートナーの男性が大黒柱として安定した収入を家計にもたらすことを想定していた。 離婚率が低かったというのも重要なポイントだ。(p176)』年始のTV番組、日本の経済のための少子化対策を唱える人達、その費用を社会保障費から出すってとことん他人のふんどしで相撲を取るんだね。2024/01/05
Miyako Hongo
17
労働力の再生産という社会の土台を担う役割が、経済の中で恐ろしく低価値と見なされている事を論じた本。環境資源だけは人の手でどうにもならない(だもんで領土問題はなくならない)けど、人口は何とかなる、はず。□合理的な判断が社会をよりよい方向に導くのが「見えざる手」、でもその社会の継続性を支えてるのは合理に元づく判断じゃない。金も時間もかかる「かけがえのない我が子」は、ツブシの効かない関係性のこと。その経済価値の低さ、損の分を女が被ることで社会は持続性を得てきた。□経済全部、安価な女の労働力前提だったんやな。2016/05/08
coldsurgeon
6
見えざる手とは、合理的な人間が自由に競争すれば、おのずから秩序が生まれ、国が豊かになるという仕組み。見えざる心とは、見えざる手を裏で支える、子供を産み、育て、病人の世話をし、高齢者を介護する心のこと。少子化と高齢化は、一つの軸の上に存在するものではない。老いは万人に訪れる運命なのに、子供を持つことは選択である。子供を持つ成人と持たない成人では、年収の格差があり、当然、持たない成人の方が多い。そして、子供が成人になるため、最低2400万円かかるという。考えなくてはいけない問題群だ。2015/12/23
oooともろー
5
2024年新書読み始め。少子高齢化で期待される女性の活躍。そこに潜む欺瞞。経済的な価値観が蔓延る現代。教育に金をかけない現政権では期待できない。2024/01/02
デューク
5
「見えざる手」を支える、家事や子育てなどの「見えざる心」。経済活動を支える、家族の無償労働について述べた一冊。 他人の子供を預かれば、ベビーシッターとしてお金をもらえる。だが自分の子供を預かっても一銭にもならない。それは「お金で買えない幸せ」は「お金で解決できる不幸」と表裏一体であるからではないだろうか。20年以上前からほとんど変わらない「一億総活躍社会」への幻想、その本質をえぐる一冊。おすすめ2016/06/04
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