内容説明
多数の重度のけが・故障を生み続けている部活の姿は、間違いなく不健康である。その姿を見つめ続けてきた時、新たな視点として浮かびあがってきたものが、実は「原っぱでの遊び」であった。スポーツの原点とも言うべき、その自由さと自律性、多様さ、何よりも参加している誰もが実感できる楽しさが、最も重要な要素であろう。そのことを理解した上で部活の健全な運営がなされれば、けが・故障を防ぐことができ、また明るくたくましくかつ心の豊かな運動部員たちが、多く生まれるであろうと確信している。本書は、こうした基本理念の下に、子どものからだと心の特性、部活の実態、部活に伴うけが・故障の実例から見た問題点、その具体的予防対策、けが・故障のケアの仕方、そして、予防のための「新視点」等を、整形外科、小児科、理学療法、教育行政、身体教育学、スポーツ科学などの専門家が、それぞれの立場から書きつづったものである。
目次
第1章 事例から見る部活動の問題
第2章 数字から見る部活動の実態
第3章 部活動の意義
第4章 子どものからだの成長・発達と心の成熟
第5章 部活動の新視点
第6章 障害・事故の要因と予防対策
第7章 けがや故障を防ぐ測定・評価と練習・トレーニング
第8章 けがや故障へのアフターケア
図解 応急処置のポイント