内容説明
逗葉マリーナで“ハーバー・マスター”を務めている夏佳。マリーナに置かれているすべての船の管理から、ボートやヨット・オーナーの相談役まで、ハーバー内で起こる全ての責任を負っている。さまざまなオーナーたちを相手に夏佳はいつも毅然と仕事をし、一日が終わると幼なじみがやっている居酒屋に立ち奇るのが日課だった。ある日、いちオーナーの親子問題に巻き込まれることになるのだが…。潮風香る、書き下ろし長編。
著者等紹介
喜多嶋隆[キタジマタカシ]
5月10日東京生まれ。コピーライター、CFディレクターを経て、第36回小説現代新人賞を受賞し作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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七色一味
36
読破。センテンスは相変わらず短いけど、私が10代、好きでよく読んでいた頃のあの弾けるようなリズムは、影をひそめたかな?それでも、短い言葉選びのセンスは相変わらずです。☆喜多嶋さんが描く人物は、徹底して余計な部分を持ってません。そして、基本ドライで軽くウエット、そしてユーモアとシニカルが1/4入ってます。だからでしょうか、舞台は秋谷だったりその辺りの露地裏だったりするはずなのに、妙にカッコイイ錯覚に陥るんですよね。2015/01/12
Koto
18
マリーナで船の管理から所有者の相談役までハーバー内で起こる全ての責任を負う「ハーバー・マスター」。その責任者に抜擢されたのは29歳の小森夏佳。男性社会の中でも物怖じせず何にも媚びない、持ち前の能力を最大限に発揮し、自分の信じられる道をただ真っ直ぐ進むその姿が本当に格好良かった。こんな女性になりたい。夏佳や様々な事情を抱えるヨットオーナー達の言葉にはっとする瞬間がある。「人には二つのタイプがある。何かを持つことを大切にするタイプと何かをできるかどうかを大切にするタイプ」…私が大切にしたいのはどちらだろう。2015/01/12
たぬ
4
☆4.5 面白いし読みやすかったのですぐ読了。ボートやヨットを係留しているマリーナでの仕事。内陸育ちの私にはまったく未知の世界なんだけど、相手が誰であろうと毅然とした態度で接する夏佳が強くて格好いい。特に女性を見下していそうな一部の男性客や古参おっさん同僚をタジタジにさせるのはスカッとした。2020/06/27
あきぴー@武蔵国
4
30年位、作風も内容もほぼ変化がないと思うのは俺だけか? たまたま似たような内容の本を手にとって読んだだけじゃないかと言う話もあるが…) 読んだ端から忘れられる本をこれだけ書ける作者はある意味素晴らしい。評価:★★★☆☆2014/12/30
逍遥遊
3
35-03-20211026 新しいシリーズになるのかな。ヨットを持てる人たちって凄いなぁ。憧れる。本当に、読んでいる最中は心に爽やかな風が吹いてくれるから喜多嶋隆はやめられないな。2021/10/26