内容説明
これまで事業部門を中心に仕事をしてきた過程で、こんなエピソードをたくさんもっている。出勤しさえすればこんな不条理なできごとは毎日発生する。そして大組織の中でいくら頑張っても必ずしも自分の思うようには事が運ばない。そういう事件とそれに対する自分の思いを毎月、月刊『EX』に『市民課福祉係長桃子が行く』として連載したものからピックアップした結果がこの本だ。だから、場面設定や登場人物等は脚色してあるが、できごとの本質的部分はすべて実話だ。今読み返してみると現場で事業実施の渦中にいたからこう考えたのだな、そしてこう書いたのだなと思い当たる点が多い。すなわちこれは渦中にいなければ書けなかった本だ。もしかするとこの種の「職場実感に満ちた」本は今後もう書けないかもしれない。そう思いながらこの本をつくった。今回単行本にするに当たって、ストーリーを全面的に加筆修正し再編集したほか、各章に「本章のテーマ」や「解説」を新たに加えた。通読しても、あるいはどこから読んでもいいようになっている。自治体職員が自分の生き方や仕事の進め方を考える上でも、また集合研修のケース・スタディ等にも、あるいは昇任試験の勉強にも役立つように工夫した。
目次
第1部 そもそも係長の役割は(係長のリーダーシップ;職員の育成と活用;上司の補佐)
第2部 成熟社会の新たな行政課題(市民と行政の新しい関係;政策課題への対応;窓口の改善;新時代の行財政改革)