感想・レビュー
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ヴェネツィア
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「歌舞伎十八番」は、七代目市川團十郎が初期の頃の市川家の荒事から選定したもの。本書はその写真集なのだが「十二代團十郎襲名」を記念してというのだから、およそ二世代ほども昔のもの。もちろん、役者こそ違え十八番の演目そのものは同じ。私がこれまでに舞台で見たことがあるのは『勧進帖』、『助六』、『暫』、『鳴神』と四つだけ。この中では『暫』が最も古態の荒事の雰囲気を残すかと思われる。いかにもといって風情の『矢の根』や『景清』、『象引』といったあたりを見てみたいものである。十三代目團十郎襲名披露公演だとなおいい。2022/02/26