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内容説明
自立編第2部(第21回から第28回)と青春編(第1回から最終回)までの19話を収録した完全版最終巻。
著者等紹介
中沢啓治[ナカザワケイジ]
1939年、広島県に生まれる。45年、国民学校1年生のときに被爆し、日本画家の父、姉、弟を失う。その後上京し、63年に漫画家としてデビュー。66年に母親を原爆症で亡くしたのをきっかけに、戦争やみずからの原爆体験を題材にした作品を手がけ始める。68年に原爆を題材としたはじめてのマンガ「黒い雨にうたれて」を発表。73年より「週刊少年ジャンプ」に「はだしのゲン」の連載を開始。実体験に基づき原爆の惨禍を克明に描くとともに、そこから力強く立ち上がる主人公の成長物語を、媒体をかえながら描きついだ。同作は実写、アニメ映画化されたほか、世界各国で翻訳出版されるなど、国際的な評価を受ける。2002年、谷本清平和賞受賞。2012年、肺がんのため死去。享年73(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫陽花と雨
18
元の初恋と残酷な別れ、ムスビの死、隆太や勝子とも別れ、ついに1人になった元の新たな旅立ち。この後の元がどうなったかは分からないが、この後は漫画を描くようになって…などと想像しつつ読了。原爆・戦争への憎しみ、「戦争のない世界へ」と元たちの願った世界には、残念ながら数十年経った今も実現できていないという事実を噛み締める。最後は作者の奥様のお言葉でしめられていた。中沢さんが葛藤されながらも、この作品を描いて世に残してくださった事で、私も今まで知らなかったたくさんのことを学べたました、読んで本当によかった。2024/10/21
ツキノ
8
「教育評論」連載、1987年2月号が最終回。看板の絵を描くようになった元、天野星雅という画家からの指導を受け必死にデッサンをする。元「もし神様や仏様がおるんなら なぜ苦しみと破壊しかない戦争と原爆をなくしてくれんのじゃ」。「青春編」では波川中学校を卒業、君が代の斉唱を拒否し青い山脈を歌う。教師に「失敗したらどなりつけて理屈を言うよりだまって力いっぱい抱きしめてともに失敗を悲しむ人になれやっ」。美しい少女光子に出会い恋するも、看板屋の軍国主義の社長の娘だった。「わしゃ とことん生き抜いてやらあ」と東京へ。2020/04/21
遠宮にけ❤️nilce
2
同じくらい辛い経験を共有しているものたちだけれど、その後の生き方は千差万別。作者が伝えているのは何が起きたのか、どれは実際どのようなものだったのかということなのだけれど、ゲンたち登場人物各々の生き方を分けたのは何が起きたかではなくて、どう取り込んだか。 ゲンの中にあるのは母の「父のように、信念を曲げずに生きなさい」であり、そのやり方として、父の「広く理解し、自分の意見を持ちなさい」が採用されているんだなと思った。2022/08/14
ねこすけ
1
元は多くを失っていくけれど、前に進んでいく。まさしく麦のように強くあれという姿を表していると思いました。2023/07/11