感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
75
図書館で見つけて。未来の戦争をテーマとした漫画アンソロジー。既読のものも多いが傑作揃い。戦争の先にあるのは人類滅亡。その先にかすかな希望を持たせているものもある。世界がきなくさくなっている今こそ、こういう本を読む意味はあるかと思う。この漫画シリーズは、全部で9冊あって、子供たちに漫画を通して戦争について考えるきっかけを与えるように編まれたようだ。幸運にも図書館に全冊収められている。これから全冊読んでみよう。2022/02/03
読特
55
シリーズ7冊目。全編読破。これから起きかねない戦争への警告。考えさせられる力作が並ぶ。…自主制作映画。単なる生活スケッチの映像が続いた後に白い画面が一瞬現れ終わる。その日は突然やってくる。核のボタンは一方的には押されない。相手がやろうとしたからやむなくやる。お互いがそう思った瞬間世界が終わる。地上に残るのは真っ白な世界。生き残ったのは核シェルターに隠れた子供たちと地下でロボットに使われる人々。…広島と長崎。やったアメリカよりもそれを忘れてしまう日本人に怒りが向かう。原爆に原発。今も核を煽る人々がいる。2023/06/23
寺
51
反戦漫画集。未来の戦争なのでオールSFである。有名作家の、今とはタッチの違うお宝漫画もあるが、改めて思わされるのは手塚治虫と藤子・F・不二雄の圧倒的な漫画の上手さである。石ノ森章太郎のは小松左京の『くだんのはは』が原作の為に原文引用が多くて煩雑だが、手塚、藤子の見事なリズム。やっぱり天才だな。2013/07/22
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
50
読友さんの感想を読んで。戦争漫画のアンソロジー。石ノ森章太郎『くだんのはは』(原作・小松左京):近い将来に起こる凶事(大戦)を予期させられて恐い……。 星野之宣『落雷』:その落雷は原爆を忘れて暮らす日本人への天罰? 山上たつひこ『地上』:ロボットが管理する地下の牢獄から脱獄しようとした囚人。これが地球の未来か? ひらまつつとむ『飛ぶ教室』:たまたまシェルターに入った子供たちと担任教師、そこで核戦争が……。 諸星大二郎『百鬼夜行』:生物兵器? 続く →2017/02/17
鷺@みんさー
38
ひらまつつとむ「飛ぶ教室」目当てで。無論全編載っているわけではなく冒頭からある程度カットされ編集されたものだが、ああそうだこういう先生だったと、懐かしく思い出すことができた。小松左京の原作を石ノ森章太郎が忠実に漫画化した「くだんのはは」、ディストピアものを思わせる山上たつひこ「地上(うえ)」、その他松本零士、手塚治虫、藤子・F・不二雄と豪華なラインナップだったが、中でも諸星大二郎「百鬼夜行」が群を抜いていたように思う。ディストピアと幻想的なボーイミーツガールを組み合わせた見せ方が流石。2017/11/06