内容説明
親のためじゃないぼくの人生を生きていいんだ。ぼくが、ぼくにとっての「最善の利益」を選んだ日。ベストセラー『ハッピーバースデー』の著者、6年ぶりの新刊。児童虐待・ヤングケアラーをテーマに子どもたちの声をつむぐ待望の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
89
児童書。YA▽父が事故で亡くなり母は失意でアルコール依存になる。5年生のつむぎは、精神的に不安定な母の世話をするヤングケアラー。祖父母と叔母が手を差し伸べてくれるが、子供を取られる不安から母はつむぎを連れて家出する。知り合った男に暴力を振るわれ、つむぎも虐待される。暴力男から逃げ出し、再び母とつむぎふたりで暮らし始める。新しい学校で、つむぎは頼りになる先生や友人に出会う▽シンドい状況ながら、道徳なみにポンポンいい言葉がでてきて涙涙。子供が生き残るためには「いい大人」が必要です。勇気ポイント貯めよう。良本2023/10/10
itica
68
【児童書】父親が亡くなり母親は酒に溺れ、母親の恋人から虐待を受けるという最悪な環境にいる小5のつむぎだが、周囲の大人やクラスメートとの出会いから様々なことを学んで成長して行く姿が描かれている。学びがあり勇気を貰える。子供は社会全体で守らなければならないという、大人の役割についても考えさせられる。 2023/08/23
モモ
50
父が思わぬ事故で亡くなり、心と体調を崩した母と生きるつむぎ。母が再婚し、新たな苦悩が始まる…。まだ母の妹と両親がいるのが救い。そして辺見先生が良かった。つむぎに向けられそうになったいじめの芽を、すぐに摘む様子が見事。つむぎの同級生の「自分の思いを大事にしなよ。あんまり、いい子にしていると、欲ばりな大人はどんどんあまえてくるよ」という言葉が印象的。子どもだけでは自分の家族をどうにかすることはできない。他の人の助けが大切。少しでも、救われる子どもが増えてほしい。2023/10/31
しおり
24
父親亡きあと、母親の束縛や同居人からの虐待で心に重い荷物を背負った少年つむぎ。序盤は哀しい状況過ぎて読むのが辛かったです。祖父母や叔母、大家さん、担任など心も身体も立ち直れるよう助けてくれる大人がいたから救われましたが…。特に「自分にとって最善の利益とは…」それを自分で考え、選択する力を付けてくれた担任は素晴らしい。つむぎだけでなく、クラスメート皆が前を向いて生きていけるように導いていました。いじめ、虐待、貧困、ヤングケアラー等子供の問題と心の成長に向き合った作品です。2025/09/12
BOOK-COFFEE
22
児童書なのにストーリーに入り込めず途中で断念。2025/08/14