降霊会の夜

個数:1
紙書籍版価格
¥1,650
  • 電子書籍
  • Reader

降霊会の夜

  • 著者名:浅田次郎【著】
  • 価格 ¥1,600(本体¥1,455)
  • 朝日新聞出版(2012/11発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022509505

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

私は顧みる。すると驚くことに眼下には、私がかつて暮らし、捨ててきた街がひとつ残らずぎっしりと、まるで重箱さながらにありし日のままひしめいているのである。たちまち罰されぬ罪のくさぐさが押し寄せてきて、私は胸の重みを支えきれず路上にうずくまる。しかし女は、冷たい手のひらを私の顎に当てて引き上げ、きっぱりと、叱りつけるように言うのである。“――何を今さら。忘れていたくせに。”

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふじさん

96
霊能力者ミセス・ジョーンズの家で行われる降霊会で、ゆうちゃんが出会ったのは、キヨと真澄、梶の三人。ゆうちゃんとそれぞれの3人に関りが語られていく。キヨとの関りでは、戦争の影響が色濃く残る親子の強い絆や辛く悲しい人生が語られ、真澄や梶との関りでは、愛する男に自分の気持ちを分かって貰えず、「さよなら」も言っても貰えないで短い命を落とした女の儚い人生が語られる、又梶の切ない恋心も。極めつきの現代怪奇談。超一級の恋愛小説であると同時に、戦争文学の要素もある浅田文学の傑作だ。 2021/12/19

ひさか

68
ホラーというか、そういう味付けのお話ですが、お話の運びに興味が持てないというか、浅田さんにしては、面白くないなぁという感じで、残念でした。2012/06/05

あつひめ

63
浅田さんの作品、久しぶりに読みましたが、心のひだひだの中から何かへばりついたものを搔き出すような印象を受けた。浅田さんの「手」だと思うけど。なかなか重苦しい内容だった。何気なく薄れていく記憶。でも、振り返る時間の中にはキッチリとその記憶と同じものが、そして心の葛藤が置き去りにされている。自分で鍵をかけてしまっているのかもしれない。会いたくない自分に・・・。でも・・・ある程度の年齢になるとふたを開けずにはいられなくなる・・・そう思わせるような浅田作品。また・・・手を伸ばしちゃうんだろうな~。2012/07/03

サトシ@朝練ファイト

57
浅田次郎の作品は「歩兵の本領」に続いて二作目。中盤以降はイッキ読みで、なるほど最後はそうまとめましたか。父親二人の戦争体験は、最近の作品の中ではかなり秀逸で「永遠の0」の作者にも読んでもらいたいと思う。2014/11/09

suna

54
昔、浅田さんの作品ばかりを読んでましたが、その時の雰囲気を思い出しました。モヤッとした空気の中で読んでる感じでした。死者と生者が語り合うストーリー。前半は主人公の子供の頃の話。キヨとの話がよかった。後半は主人公が真澄に「さよなら」を言ってあげてほしかった。結末がなんだかちょっと納得いかなかった。2014/03/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4669654
  • ご注意事項

最近チェックした商品