内容説明
戦後の淡路島―、新しい時代に向けて急激に生活が変化する中、足柄竜太とその仲間たちは、はじめて手にした野球ボールに魅せられ、野球に夢中になっていく。早熟な竜太、熱血漢のバラケツ、きりりとした美少女のムメ。個性豊かな面々によって結成された瀬戸内少年野球団の仲間たちが、夢と友情、初恋に奔走する!貧しいけれど活気に満ちていた昭和の時代を、少年少女の視点で瑞々しく描いた傑作青春小説。
著者等紹介
阿久悠[アクユウ]
1937年生まれ。出身は兵庫県淡路島。明治大学文学部を卒業後、広告代理店に勤務し、CM制作・番組企画などを手がける。その後フリーとなり、作詞を中心に小説・エッセイなどの執筆活動に入る。数々のヒット曲を送り出し、日本レコード大賞、日本歌謡大賞、日本作詩大賞、古賀政男記念音楽大賞などを受賞。また1979年刊行の『瀬戸内少年野球団』は直木賞の候補となり、映画化もされた。1997年、菊池寛賞受賞。1999年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイトルからして少年野球ものかと思って読み始めた。が、なかなかその話にならない。中盤になって、ようやく瀬戸内少年野球団は結成されるわけだけれど、そこに焦点があてられたかといえばそうでもない。戦時中または戦後まもなくの子どもたちや彼らを取り巻く大人たちの日常を切りとった小説。上中下を合わせて500Pある中で、もっと少年たちを深く描いてほしかった。大人の話を減らして。最後のシーンは凄くよかった。また、野球道具を自分たちで作るという発送自体持っていなかったので、いまの自分たちは相当恵まれてると感じた。2013/05/31
アンジー
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ムメとの別れが切なかった。野球チームが成立して、今後の試合の結果がどうなっていくのかについて、気になる。だんだん面白くなってきたと思う。ドラマでは、どのように描かれるのかということも、とても楽しみである。それから、読んでいくにつれて、今回のドラマで、猫屋のオバハンの役に、友近さんを選んだことは、ぴったりだったと思うようになってくる。2016/09/11
シンヤ
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読みやすい。色んな歌がでてくる……全く知らない歌が(笑)大変な時代をたくましく生きる少年達。見守る大人、足ながおじさんの出現など。希望を持つことの大切さを再確認した作品。2016/08/14
森乃あさ
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「下」が一番面白かった。 テンポのいい流れの中で、 始終笑えた。 独特な訛りと、テンポのよさ、 おかしくて、せつなくて、 というところは、 早坂 暁さんの 「ダウンタウンヒーローズ」 を彷彿させるが、そちらの方は 主人公が18歳。 そこがちがうけどね。 2011/12/31