内容説明
数千万の尊い命を失った太平洋戦争―戦争という時代のうずにのみこまれた日米の元兵士たちが、60年以上の時を経て、ハワイに集った。戦後、多くを語らなかった元兵士たちが、この試合に望んだ理由とはなんなのか。そして、国という壁、言葉という壁をこえ、「野球」というスポーツで、ともに元兵士たちが得られたもの―それは一体なんだったのか。戦争とは何か、平和とは何か、生きるとは何かを問う、奇跡のプロジェクトの物語。
目次
第1章 ニューヨークからの手紙
第2章 フロリダの老プレイヤーたち
第3章 選手集めに奔走する夏
第4章 ハンズ・ロレンジフィールドの奇跡
第5章 オーバー・ザ・レインボーズ発進
第6章 夢のフィールド
第7章 時を超えて
著者等紹介
大社充[オオコソミツル]
1961年、兵庫県宝塚市生まれ。京都大学アメリカンフットボール部QBとして京大初の全国制覇に貢献。1985年、京都大学卒業後、(財)松下政経塾に入塾。1987年よりエルダーホステル協会の創設に参画し、町おこしや地域活性化に役立つプログラムづくりに取り組む。神奈川ゆめコープ理事、横浜FCソシオ制度規約検討会議座長など経験の他、プロバスケットボール「bjリーグ」経営諮問委員、社会人アメフトチーム「ブルザイズ東京」監督、NHK‐BS「NFL」解説者とスポーツ分野でも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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shiho♪
17
いつかの中学校の部、課題図書。日本軍と米軍、かつて敵として太平洋戦争を戦った元兵士達が、パールハーバーを望むハワイで野球の試合をするノンフィクション。 私は、お互いに仲間や家族を失い、憎んでいるのではないか、複雑な気持ちでいるのではないか、そう思っていた。 もちろん参加した元兵士の中にはそういう方もいた。けれども交流を深めるうち『望んで戦った訳ではなく、みんな同じ人間。お互い生きていて良かった』と考えを改めるエピソードがいくつかあり、ほっと胸を撫で下ろした。まさに親善試合。スポーツの力を感じた一冊だった。2024/04/29
雨巫女
11
両親より、ちょっと年上のおじいさん達の話。おじいさん達による日米野球を行うにあたりの心の葛藤は、胸が痛くなりました。2010/09/21
おとしん
5
この夏、「永遠のゼロ」からはじまり、この本にたどり着きました。興味をもつと、本が自分に近寄ってくるような気がしています。不思議な感じです。僕はこのお話はすごく好きでした。課題図書としても終戦から65年の節目の年にふさわしいものであると思いました。2010/09/02
papakiti
1
たまにはノンフィクションもいいですね。試合が実現できてよかった。2016/06/12
れじーな
1
戦後65年を経て、日米の元兵士達が野球をプレーする。お互いに思うことはあるけれど、それを乗り越える為にも野球をする。戦争で戦った者同士だけれど、人はこうやって平和を勝ち取ることも出来るのだという、とても素敵な話でした。テレビ放映はされたのでしょうか、見たかったです。2010/09/17
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