内容説明
きつねの子に“ききょう色”に染めてもらった指先で作ったひし型の窓。その窓を目の上にかざすと、そこに見えたものは…?
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
1943年、東京生まれ。日本女子大学国文科卒業。『さんしょっ子』で日本児童文学者協会新人賞、『風と木の歌』で小学館文学賞、『遠い野ばらの村』で野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』で新美南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで 小夜の物語』でひろすけ童話賞など数多くの賞を受けた。1993年逝去
いもとようこ[イモトヨウコ]
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学油画科卒業。『ねこのえほん』『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を2年連続受賞。『いもとようこうたの絵本1』で同グラフィック賞受賞。2015年パリとボローニャで絵本原画展を開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
51
とても好き。美しくて切なくて…安房直子さんの魅力が全て詰まっている。文章では何度も読んだが、こうして絵本で読むとまた新鮮。いもとようこさんの描く、咲き誇る桔梗の花の青色が強く印象に残る。何度も読みたい。2022/01/08
ぶんこ
39
とても切ないお話でした。道に迷った桔梗畑で子きつねに出会ったぼく。会えなくなった大切な人に会える桔梗で染めた指で作った窓。鉄砲で狩をするぼく。鉄砲で母を喪った子きつね。いもとさんの優しい絵を見ていると涙が止まらなくなります。人にもきつねにも命があって、その命は大切な人の命。胸にこたえました。2022/01/18
ゆぎ🖼️
25
ききょうで染めた指を合わせて窓を覗くと忘れられないのが映る。鉄砲よりもかけがいのないもの。絵や背景も淡いちょっと現実のような夢の中のような世界観。深イイ感じがしました。2021/05/15
ヒラP@ehon.gohon
22
知っているはずのお話でした。 他の方の絵本で読んだことのあるお話でもあります。 でも、この絵本にあふれる紫色に、何か別の世界を見たような気がします。 青いききょうの色でもなく、青く染めた色も紫色、色のマジックに見とれてしまいました。 それだけに指で作った窓から見える世界は、思い出をくっきり浮かび上がらせてくれるのでしょう。 他の何も要らなくなったような至福感は、無意識に手を洗ってしまったために消えてしまいました。 夢からさめるってこういうことかも知れません。2021/07/11
ヒラP@ehon.gohon
20
おもちゃ図書館で読み聞かせしました。大人の読み聞かせ。2021/06/16