内容説明
ベルギー、フランダース地方の村にネロという少年と、おじいさん、そして犬のパトラッシュがすんでいました。おとうさんとおかあさんは、ネロが二さいのときになくなってしまい、ネロはおじいさんにそだてられました。おじいさんは、まいにち村から町までミルクをはこんで、わずかなお金をもらってくらしています。ネロとパトラッシュは、おじいさんのてつだいをしながら、まずしいけれどとてもしあわせでした。
著者等紹介
ウィーダ[ウィーダ][Ouida]
1839年イギリス生まれ。本名ルイズ・ド・ラ・ラメ。のちにイタリアに移住しそのまま永住。三十代の時に『フランダースの犬』を発表。1908年に他界した
いもとようこ[イモトヨウコ]
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学油絵科卒業。『ねこのえほん』『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童書展エルバ賞を2年連続受賞。『いもとようこうたの絵本1』で同グラフィック賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nakanaka
82
子供の頃「世界名作劇場」で観ていました。改めて、なんという悲劇。涙無しには読めません。貧困への差別が酷く人間の愚かさがこれでもかという程に描かれています。純粋な子供だけが輝いていますね。子供たちも深く胸を打たれたようでした。いもとさんの絵がやっぱり良いです。何かで知りましたが原作のパトラッシュはセントバーナードではないそうで、いもとさんの描いたような犬種だったようです。2017/12/04
ごへいもち
20
タイトルを見ただけで泣きそう。読友さんご紹介本2021/06/21
ヒラP@ehon.gohon
20
絵本という世界だから、あの名作の抄録のような作品です。 それでもこの絵本は、感動シーンをつなぎ合わせて、淡い絵で饒舌に語る、いもとようこさんにとっての名作になっていると思います。 ネロの境遇、おじいさんの死、誤解と偏見と差別、これほどに忘れたくないつらい目にあう主人公の断片ですが、とても奥深く響いてきました。 あの作品を改めて再読したくなりました。2021/05/18
あーさん☆転スラ·薬屋·本好き·魔導具師ダリヤ·天久鷹央·かくりよ·多聞くんと続々アニメ最高です!!(≧▽≦)
20
絵本だと話が短すぎる!Σ( ̄□ ̄;)2017/12/12
なると
19
貧しいからと先入観をもち差別する。昔も今もこの考えは根強くある。ネロを探すアロアの叫び声に読み聞かせた娘の胸はやるせなくなった様子/ネロが見たがり、そして最後に見ることができたルーベンスの絵に興味が湧き、調べた。『キリスト降架』アントワープ大聖堂にある三連祭壇画。縦4.2メートルの大作。磔刑に処されたイエスの亡骸が降ろされる場面を描いている。力強い絵です。でもネロが死ぬ直前に見た絵がイエスの亡骸なのか…原作では”パトラッシュ一緒に死のう”と自殺しているそう。希望あふれる絵だったら死ななかったのかも…2016/09/17