内容説明
こぐまは、だいすきだったおばあちゃんのかたみのめがねをいつもかけていました。こぐまのめにはあわないそのめがねをかけると、みんなみんなぼやけてみえます。でも、かなしみでいっぱいのこぐまにはそれがとてもここちよかったのです。
著者等紹介
こんのひとみ[コンノヒトミ]
絵本作家・エッセイスト・シンガーソングライター・ラジオパーソナリティー。息子のために作った子守歌が注目を集め、「パパとあなたの影ぼうし」が太田裕美の歌唱でNHK「みんなのうた」で放送されると大反響をよび、作者についての問い合わせが殺到。その後、ソニーミュージックよりメジャーデビューアルバム「ちいさな声~パパとあなたの影ぼうし~」をリリース。学校や福祉施設への出前ライブに積極的に取りくみ、観客のメッセージにその場でメロディーをつけて歌ったり、即興演奏に合わせて郎読したりする観客との心の交流に力を注いでいる
たかすかずみ[タカスカズミ]
福岡県生まれ。子ども向けの雑誌や絵本の挿絵を多く手がける。パステルを使ったやさしくあたたかい画風は定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
64
好みです。優しくて切ないお話。こぐまは大好きだったおばあちゃんの形見のめがねをいつもかけていました。こぐまには合わないこのめがね。でも、悲しみでいっぱいのこぐまには、それが心地良かったのです……。こんのひとみさんの、優しい、優しい世界。そして、私の好きな「きつねのでんわボックス」の、たかすかずみさんの温かな挿絵がとてもいい。現実から逃げて、おばあちゃんの思い出だけの世界に生きるこぐま。そんなこぐまを心配したうさぎは…。温かなラストです。2023/05/18
yomineko
59
読み友様からのご紹介本です📚こぐまなのに何故メガネをかけているのかな・・・これは大好きだったおばあちゃんの形見。だけど視界がぼやけて見えない。日に日に弱って行くこぐまを見かねたうさぎさんが一生懸命お世話をしてくれる。。。2023/06/15
ぶんこ
39
おばあちゃんと暮らしていたこぐま。おばあちゃんが亡くなりひとりぼっちに。悲しくて、おばあちゃんのメガネをかけて暮らしています。全てがぼやけて見える生活。食べ物も得られず倒れてしまったこぐま。心配したうさぎさんが看病してくれます。ひとりぼっちではないよ。うさぎさんの長い耳を天使の羽根と思っていたこぐまちゃん。天使と会えてよかったね。2023/05/29
k sato
20
読友さんからご紹介いただきました。大好きだったおばあちゃんの眼鏡をかけている子熊。おばあちゃんを亡くし、一人小屋で暮らしています。次第に、木の実を取りに行く気力を失い、食欲も細ってしまいました。すると・・・(;´Д`)子熊を遠くから見守るうさぎの存在が、この絵本の鍵となります。子熊がかけていた眼鏡はぼやけて良く見えていません。自分の殻に閉じこもり、周囲が見えなくなっている様子を象徴しています。想い出に縋る気持ちもわかりますが、新たな一歩を踏み出す勇気も必要なときがあります。そんな心情が描かれた絵本です。2023/06/21
anne@灯れ松明の火
12
ドライブ先の図書館で。この図書館、児童コーナーも、作家(画家)順に並んでいた。で、同じ画家さんで、内田麟太郎さん文の『なきすぎてはいけない』と並んでいた。何か同じ匂いがするような気がする。……やっぱり! あちらは人間のおじいちゃんと孫。こちらは こぐまとおばあちゃんのお話だった。死んでしまったおばあちゃん。その悲しみから立ち直れない こぐま。救ってくれたのは、いつも気にしていて、見守っていたうさぎさん。うさぎの耳が天使の羽に見えるというエピソードがとても素敵。2012/07/29