内容説明
もりのなかにくまがすんでいました。くまはひとりぼっちでした。あるひ…トン!トン!トン!トン!だれかがとびらをたたきます。くまがとびらをあけると、うさぎがさむそうにたっていました。うさぎのために世話を焼くくま。でも、うさぎは何もいいません。ついにくまは「その一言」を口にしてしまいます。『くまのこうちょうせんせい』『くまのしんぶんきしゃ』の人気コンビ最新作。
著者等紹介
こんのひとみ[コンノヒトミ]
体の弱い息子のために子守歌を作って歌っていたのをきっかけにシンガーソングライターに。「ムーニーマン」「まるこめみそ」などのCMソングやナレーションを手がける。また学校や福祉施設への出前ライブに積極的に取り組んでいる。代表曲にNHKみんなのうたの「パパとあなたの影ぼうし」「夢をかなえよう」
いもとようこ[イモトヨウコ]
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学油絵科卒業。『ねこのえほん』『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童書展エルバ賞を2年連続受賞。『いもとようこうたの絵本1』で同グラフィック賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
75
時々、寂しくなるとめくりたくなる1冊。誰かのために…誰かと一緒に過ごせることの幸せ。尽くすことと尽くされることのバランス。子供の絵本としては、なかなか難しいのではと思ってしまった。でも、逆に言えば、子供はストレートにウサギの態度を指摘する。大人は、余計なことを考えるから難しく感じる。好きだから、一緒に過ごして楽しみたい…。嬉しいときは嬉しいと伝え、感謝の気持ちを忘れない…。それは相手のためでもあり自分のためかも…なんて絵本を手にして自分の現状と重ねてしまった。まだまだ、この本を手放すことはできなさそうだ。2015/01/12
インボイス制度そっくりおじさん・寺
44
いもとようこの絵はやはりかわいい。古いファンシーな感じだが、やはり有無を言わせぬ圧倒的なかわいさがある。【以下ネタバレ】独りぼっちで生活する孤独な熊。そんな熊のもとにある日突然現れたかわいいうさぎ。淋しかった熊とうさぎの二人暮らしが始まる。うさぎの為に料理を作る熊の充実。しかしうさぎはにこにこするばかりで何のリアクションもない。次第に熊に不安が募る。そしてとうとううさぎを叱る熊。「僕の事好きなの嫌いなの!」涙ぐむうさぎは不意に姿を消す。うさぎがいるだけで幸せだったと気付く熊。うさぎは良い御身分。2015/01/12
ルル
43
相手に求める=我利我利=ガリガリ=真理に生きる、を考えさせてくれますm(__)m 絵本作家の底力に敬服、そして、存在に神さまに感謝です。3月最初にあるべくして在る真理に出逢えました‼️2019/03/02
スノーマン
38
娘が保育園から借りた本です…が、油断して読み聞かせしていたら、切なさに危うく泣きそうに。ひとりぼっちだった頃のくまさんの寂しい瞳、うさぎさんが住み始めて喜ぶ表情、そして一緒に暮らすことで逆にうさぎさんの気持ちがわからなくなり怒鳴ってしまうくまさん。最後にはウッと胸に詰まるものがある。いっしょにいるって、どういうこと?と大人にも問いかけてくる。2013/09/30
たーちゃん
30
一人で食べるご飯よりも二人で食べた方が美味しい。くまさんは優しいなぁ。私ならたまには感想言ってほしいかも(笑)息子もよくご飯を食べている時に「おかあしゃん、あむ(あむとは食べること)」と言って私にも同じものを食べさせようとします。食べてあげると嬉しそうにするので、美味しいをきっと共有したいんだろうなぁ。2020/01/02