内容説明
10歳のアマンダは、ミニチュア人形を集める内気な少女。いちばんのお気にいりは、小さなピンクのぶただ。アマンダは時どき、ピンク・ピッグと、太陽の輝く『ちいさな国』へ行く。そこはアマンダにとって、現実の世界より、ずっといい。エレガントなお母さんは、スポーツマンのお兄さんに夢中。さびしいアマンダは、ある日、パーリーに会う。パーリーは、家出したお父さんの母親だった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くるた
2
すごく良かった!1987年に出版されたYA向けの物語ですが、古臭さなんて全くないし大人の私が読んでもちょっと泣きそうに。主人公の孤独がすごくリアルに伝わってきました。途中でやめられず一気読み。これはもう、高学年女子に是非オススメしたい。ただ、共感できる子と読み飛ばす子にわかれちゃうかも。自分の感受性を大事にしている子(それを上手く表現できるかは別として)は、主人公に共感できる部分が多いんじゃないかなぁと。こういう読み手に媚びず流行に流されないYA本、これからもたくさん出会いたいなー。2014/09/25
熊五郎
1
自分だけの空想の世界をもち、その世界で問題が発生し、自分が解決の鍵を握っているという点でウィリアム・メインの『闇の戦い』を彷彿とさせた。この作品の場合は親の愛情不足が露骨に描かれていて読んでいてつらくなるが、愛されている(過剰に期待されている?)方の兄が妹を気にかけるいいやつなので読んでいられる。 2024/05/10
MIO
1
昔、銀の馬車を読んでとても心に残ったアドラー。置き去りにされた猫も良かったが、この本もとてもよかった。真実と向き合うこと。自分らしく自分で決断して生きることの大切さ。パーリーの優しさ(あんたは、あんた自身の顔、きれいな女の子だよ。頭の中で考えたことは直すこともできるもの。すぐに元気になるよ。あんたらしいいい子にね、もちろんあんたはいい子だよ。)デールの強さと決断。リビーとの友情。この話も父親のいない家庭で、母兄と暮らす妹のアマンダ(紅水晶のピンクピッグを生きた友だちと想像してきた)の成長物語。高学年~2020/09/07