出版社内容情報
春休みに、東京のおばさんの家へ遊びに来たマキオ。おばさんの家には、5才のちあきと赤ちゃんのひさおがいます。ひさおの具合が悪くなりおばさんは病院へ…。マキオは、はじめての東京の夜のおるすばんです。 小学校低学年~小学校中学年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
32
「ひとりぼっちのマヒト」の作者の2冊目。1973年。50年前の課題図書。冒険とはちがうものの、日常生活にありそうで、でも8歳の子どもには試練のような数日間が描かれる。母の入院にともなう、東京の叔母さんに会うひとり旅、そこでもマキオだけでどうすればいいか考えさせられる場面、大人たちとの慣れないやりとりが続く。命について考えさせられる場面にも何度も出会う。それでいて不自然さを感じないストーリーで、心温まるのが、愛読されてきた理由なのだろう。今でも新刊で読めるらしいが、偶然とはいえ当時の函入り本で読めた。2024/04/30
たこい☆きよし
2
小学3年生の時の課題図書。お母さんの盲腸の手術の間、名古屋から東京の親戚の家に預けられることになったマキオだったが、行った先でそのお宅の赤ちゃんが急に入院、そこのお母さんも付き添うことになって、5歳の従妹ちあきと二人だけでお留守番することに…。今読むと幼女連れ去りと思われる不審者、障がい者の立場の弱さ、戦前の家政婦という職業の存在なども垣間見える。話そのものも都会の核家族化で頼る親戚知人の少ない今でいうワンオペ育児のはしりの頃の物語とも言えるかも。大人側の想いもいろいろ感じ取れて、別の視点でも楽しめた。2023/04/09
horuso
2
子供の頃、何度読んだかしれない。いや、高校生、下手をすると大学生になっても読み返した本だ。なつかしかった。それに、やっぱりいい本だ。今読んでも好きという気持ちに変わりない。すみずみまで素晴らしい。チャキちゃんが連れて行かれそうになった男とか、耳が不自由な家政婦とか、はっきり片付かないままにしてあるところがいい。2012/08/26
小倉あずき
1
小学生の頃読んで、とてもインパクトがあった本。今読み返すと子ども二人を自宅に置いて母親が病児の付き添いとか現在ならNG案件だろうけど、この当時は普通にままあったことなんだろうなぁ。それは社会が安全に機能していた証左でもあるように感じた。ヒサオちゃんの発作(腸閉塞)と家政婦さんの描かれ方は今読んでもドキリとする。2022/12/01