出版社内容情報
1945年8月6日。広島の町角に立つわらいじぞうが見たものは、まるで太陽が落ちてきたとしかいいようのない光景だったのです…。作家と語り部と画家が悲しみと怒りをこめて描く入魂の絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
69
戦中、広島には微笑む顔のお地蔵さんがあった。8月6日広島は焼け野原に。水を求める少女だが一滴もない。すると笑顔のお地蔵さんの顔が仁王の顔に変わり、目から涙があふれ出た。それを飲む少女、、、だがもう、、、この世で一番怖いのは核兵器!そして「原爆のお陰で戦争を終わらせてやった」というかの国の人々!!!2024/07/15
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26
なぜ、お地蔵さんの崩れた顔の代わりとなった石も、憤怒の表情を浮かべるのか。子どもの頃は、それが疑問だった。しかし今は、きっとその土地にあったもの全てに、戦争への怒りが刻まれていたのだと思う。2020/08/10
あおい
24
原爆で焼け野原になった広島。わらいじぞうと呼ばれていた穏やかなお地蔵さんが瀕死の少女の最後の願いを叶えるため仁王のような恐ろしい形相で涙を流す。怖くて悲しい絵。読むのが辛かった。2016/02/16
荒野の狼
22
2019年に大阪大学総合学術博物館で開催された「四国吾郎展~シベリアからヒロシマへ~」で購入。2019年8月にはNHKでBS1スペシャル「ヒロシマの画家~四国吾郎が伝える、戦争の記憶~」では、この絵本がアメリカで大学生の原爆の教育に使われていることが紹介されており、絵本の内容の紹介もなされた。 あとがきでは作者の山口勇子が、“本書は「おこりじぞう」の前半を俳優の沼田曜一が「手づくり民話劇場」で語ったものを絵本にしたもので、絵本が世に出ることで原爆の問いかけができる。原作も読んで欲しい”と書かれている。2019/08/12
さきん
19
原爆がらみの絵本では一番強烈な印象を受けた。幻覚と周りの地獄な状況が地蔵の穏やかな表情を明王のような険しい顔つきに勘違いさせる。2016/12/15