内容説明
金融危機の最中、三菱東京UFJ銀行からユニオン・バンクに派遣された日本の銀行マンが現場で体験したことは?“米銀スタンダード”として運営されているユニオン・バンクの融資管理態勢について解説。
目次
序章 ユニオン・バンクへの赴任
第1章 リーマン・ショック前の融資運営(ユニオン・バンク着任と一定の兆候;住宅ローン・ポートフォリオ ほか)
第2章 ユニオン・バンクの融資管理制度(融資管理の基本コンセプトと制度体系;融資管理の外部組織 ほか)
第3章 リーマン・ショック発生後の融資対応(サンフランシスコの北側に位置する小さな町;二〇〇六年―繁栄と不安の交錯 ほか)
終章 邦銀の融資業務の再生のために(邦銀と米銀の融資制度の比較;日米の融資制度の違いの背景 ほか)
著者等紹介
佐藤満[サトウミツル]
1984年東京大学法学部卒、同年三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。1993年米国ワシントン大学フォスター・ビジネススクール卒、MBA取得。同行の国際業務部門を中心に勤務。与信所管部副部長、米国ユニオン・バンク融資部門SVPなどを歴任。現在は海外事業担当の執行役員として上場製造業に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
67
この著者はあるメガバンクの行員でしたが、アメリカでの現地企業への融資ということにかなり従事していたということで日本の融資管理との違いがよくわかるように書いてくれています。前からこのような本を読みたいと思っていたので参考になりました。特に米国の場合はガイドラインというのがきちっとしているので、日本のような本部と営業店の裁量余地が少ないように感じます。それはそれでいいのだと思います。日本の場合の方がどちらかというと、担保さえあればということで全体的には緩やかな気がします。それが今問題視されているのでしょうが。2017/10/26
sugar
0
日米の融資業務の差。定量的なマクロ運営に欠ける点はどこも共通らしい。2019/05/22
cochou
0
金融関係者で話題の本らしい。金融危機時に米国商業銀行で融資管理者だったという貴重な経験が学べる。ガバナンスや融資判断が外形ではなく動態的に語られる。業務に精通した役職員のフラットな組織がスピード感を持って資本対比のリターン最大化を追求する。ただ、日本のメガバンクの説明はやや古い気がする。銀行が事業会社に提供できるものは少ないというコメントもあり、流行の事業性融資に冷静さを求めているのはよい。2018/02/08