出版社内容情報
本書は、渡辺澄夫氏によって提案されたWAICおよびWBICの理論的根拠を与えるとともに、ベイズ統計学のためのソフトウェアStanによる実装を導入し、解析関数、経験過程、代数幾何、状態密度の公式などの数学をできる限りやさしく解説したものである。特に、代数幾何は例を数多く掲載した。対象読者は大学基礎課程の統計学の知識がある方、WAICやWBICの本質を知りたい方、『統計的機械学習の数理100問 with Python』程度の知識がある方を想定している。
「渡辺澄夫ベイズ理論」という言葉は、渡辺氏の30年来の友人である著者が、本書を執筆するにあたって命名したものである。そこには「WAICの正当化」をはるかに超えるドラマがあった。赤池の情報量規準、甘利の情報幾何とならぶ日本統計学の偉業として渡辺澄夫氏の業績を多くの方に知っていただきたいというのが本書の願いである。
目次
第0章 やさしく学べる渡辺澄夫ベイズ理論
第1章 渡辺ベイズ理論入門
第2章 MCMCとStan
第3章 数学的準備
第4章 正則な統計モデル
第5章 情報量規準
第6章 代数幾何
第7章 WAICの本質
第8章 WBICと機械学習への応用
著者等紹介
鈴木讓[スズキジョウ]
大阪大学教授、博士(工学)。1984年早稲田大学理工学部卒、1989年早稲田大学大学院博士課程修了、同大学理工学部助手、1992年青山学院大学理工学部助手、1994年大阪大学理学部に(専任)講師として着任。Stanford大学客員助教授(1995年~1997年)、Yale大学客員准教授(2001年~2002年)などを経て、現職(基礎工学研究科数理科学領域、基礎工学部情報科学科数理科学コース)。データ科学、機械学習、統計教育に興味をもつ。日本で最初のベイジアンネットワークの研究者とされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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