出版社内容情報
複数のデータ所有者が、各自の持つ学習データを秘匿したまま、協力して機械学習モデルを構築するにはどうすればよいだろうか? 従来型の機械学習のアプローチでは、すべてのデータを1か所(通常はデータセンター)に集める必要がある。
しかし、これはユーザーのプライバシーやデータの機密性に関する法律に違反する可能性がある。現在、世界中の多くの地域が、プライバシーに関する法律に従ってユーザーのデータを慎重に扱うことをテクノロジー企業に課している。欧州連合(EU)が2018年に施行したEU一般データ保護規則(GDPR)は、そのような法律の代表例である。本書では、この問題の解決策となる連合学習(federated learning)について解説する。連合学習は、分散機械学習、暗号とセキュリティ、経済学とゲーム理論に基づくインセンティブメカニズムを組み合わせた新しい手法である。本書では、プライバシーの保護を目的としたさまざまな機械学習技術とその技術的背景について説明し、代表的な実用例を紹介する。そして、社会的ニーズが高まりつつある「責任あるAI」(responsible AI)を開発・実用化するための技術として、次世代の機械学習の基盤となりうる連合学習の可能性を示す。
[原著: Federated Learning, Morgan & Claypool Publishers, 2019]
内容説明
複数のデータ所有者が、各自の持つ学習データを秘匿したまま、協力して機械学習モデルを構築するにはどうすればよいだろうか?従来型の機械学習のアプローチでは、すべてのデータを1か所(通常はデータセンター)に集める必要がある。しかし、これはユーザーのプライバシーやデータの機密性に関する法律に違反する可能性がある。現在、世界中の多くの地域が、プライバシーに関する法律に従ってユーザーのデータを慎重に扱うことをテクノロジー企業に課している。欧州連合(EU)が2018年に施行したEU一般データ保護規則(GDPR)は、そのような法律の代表例である。本書では、この問題の解決策となる連合学習(federated learning)について解説する。連合学習は、分散機械学習、暗号とセキュリティ、経済学とゲーム理論に基づくインセンティブメカニズムを組み合わせた新しい手法である。本書では、プライバシーの保護を目的としたさまざまな機械学習技術とその技術的背景について説明し、代表的な実用例を紹介する。そして、社会的ニーズが高まりつつある「責任あるAI」(responsible AI)を開発・実用化するための技術として、次世代の機械学習の基盤となりうる連合学習の可能性を示す。
目次
第1章 イントロダクション
第2章 プライバシー保護機械学習
第3章 分散機械学習
第4章 水平連合学習
第5章 垂直連合学習
第6章 連合転移学習
第7章 連合学習のインセンティブメカニズムの設計
第8章 コンピュータビジョン、自然言語処理、推薦システムにおける連合学習
第9章 連合強化学習
第10章 応用事例集
第11章 まとめと展望
著者等紹介
牧山幸史[マキヤマコウジ]
2007年九州大学大学院システム情報科学府博士課程単位取得退学。現在ヤフー株式会社にてデータサイエンス業務に従事するかたわら、株式会社ホクソエム代表取締役社長および徳島大学客員准教授を務める
高柳慎一[タカヤナギシンイチ]
2020年総合研究大学院大学複合科学研究科博士課程修了、博士(統計科学)。現在徳島大学デザイン型AI教育研究センター客員准教授を務める
林樹永[ハヤシタツナガ]
2017年慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了。現在、事業会社にてデータサイエンス業務に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。