AI事典 (第2版)

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AI事典 (第2版)

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  • サイズ A5判/ページ数 523p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784320120631
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C3541

出版社内容情報

“AI(人工知能)の視点から,21世紀の知的情報化社会を読み解く”

【特徴】
1.1988年12月,UPU社から出版された定評の書『AI事典』を15年ぶりに全面改訂.
2.わが国を代表する気鋭の編集委員7人がAIの枠組みを見直し,あらためて15の大項目として分類.
3.AIの歴史‐中核‐基礎を成すキーワード192を事物項目で解説.
4.AIのキーマン92名を人物項目で紹介.
5.多様なジャンルから, 180人にのぼる第一級の多彩な執筆者が参画.
6.各小項目は,読みやすいページ単位のレイアウトを採用.
7.論述は,すべて各執筆者の強い思い入れを込めて明快に展開.

まえがき

本書は、1988年12月ににUPU社から刊行された『AI事典』の基本的精神を継承しつ
つ、15年後の現在の状況を反映するべき改訂したものである。改訂の実質は、
大項目の構成の変更、小項目の削除と追加、および相当項目の内容刷新である。
また、初版時の内容を流用した一部項目についても各執筆者に内容の検討を
お願いし、修正・加筆がなされている。その結果、15年前に刊行された版と
今回の版とを比べると、かなり大きな変更が加えられた。また、形式では、
特徴的であったページレイアウトは、今回は読み易さのためにやや伝統的な
スタイルに変更したほか、3次元マップなどの工夫を今回は断念して、内容の
更新充実を重視した。
日本における人工知能研究は、その内実についても、周辺の事情についても、
この15年間で大きく変貌した。その変化を象徴する事実は、人工知能研究があ
る意味で制度化され、体制化されたということである。15年前、人工知能とい
う研究分野は、まだ日本では確立した研究分野であったとは言えないという認識をもっ
て、本書の前身となる『AI事典』が編集された。しかし、現在では、研究分野
としてはすでに確立していると言うことができるだろう。「日本人工知能学会」
は1986年に創設されていたが、現在では会員4000人弱を擁する中規模学会と
なり、多方面な活動を展開している。また、1997年には日本(名古屋)
でIJCAIを開催し、
また、PRICAIなどを継続的に開催しつづけるなど、アジアや世界の人工知能研
究の一つの拠点として認められつつある。
 人工知能研究の体制化は、学会活動だけでなく大学制度の内部においても観
察することができる。各大学の工学
部あるいは情報関連学部、そしてさらに大学院においても、「知能情報工学科」
「ロボット工学科」というような名称の学科、講座、研究科、専攻が設けられて
くるようになった。1980年代に日本の人工知能研究を担った若手研究者は、こ
のような学科の教員として採用され、全国に人工知能研究者が分散するように
なった。
 現在では、情報学研究の重要な一部を、かつて人工知能と呼ばれた研
究分野が占めるいようになっている。これらの体制の進展は、日本人研究者が
世界的な活躍をはじめている背景となっていると考えられる。
 もちろん、そのような制度化、体制化を諸手を挙げて歓迎すべきかについては、
議論の余地がある。本書の最初の版が構想された1980年代のなかばでは、「人
工知能」は、あるい意味では時代の先端を示すキーワードではあったが、ある
いはそうであったがゆえに、まだ得体の知れない研究という印象を与えていた。
異なる背景を持つ若手の研究者がどんどん参入していた時代であったが、その
ような動きは、一方で「得体の知れなさ」を感じさせつつも、学問的な活気、
覇気を醸しだしていた。このような雰囲気は、体制化が進んでいる現在のもの
ではない。人工知能という確立された分野における着実な論文が増えてきては
いるが、人工知能研究の範囲を越えて現代の情報学、さらには、他の自然科学、
人文・社会科学へ影響を与えるということはむしろ少なくなっている。本書の
改訂が、このような状況へ投じられた一石となることを期待している。
 しかし、このような表面的変貌よりも重要な変化が、周辺分野において起きて
いる。この15年間の脳科学の進歩は、端的に驚嘆に値するものである。1970年
代に確立された電気生理学的研究方法は、脳における情報処理に関する基本的
知見を提供したが、その計測方法の制約から人間について直接的な観察を行
うことは不可能であった。しかし、そののちに開発、導入されたPET、fMRIな
どの機器は人間について非侵襲的な計測を可能としている。この状況は、かつ
て脳についての直接的な研究が不可能であるから計算機によるシミュレーショ
ンが必要だと言っていた時期と比較すると隔世の感がある。この変化が人工知
能研究の意味と方向にどのような影響を与えるかということは今後の課題とし
て興味深い。
 さらに、人工知能とはきわめて親しいロボット工学におけるさまざまな展開は
人工知能とは何かを再考する契機を与えている。とくに、1980年代後半に開
始された垂直的アーキテクチャの提案は、従来の人工知能が想定してきた、人
間の行動に対するドグマの再考を迫っていると考えられる。
 さらにまた、社会の全般的な変化こそが人工知能の地理的相貌をもっとも大き
く変化させたと言えるかもしれない。本書が最初に刊行された1980年代後半の
日本では、パソコンという略称で呼ばれているパーソナル・コンピュータがようやく
オフィスに普及しはじめるころであり、インターネットに継がっている計算機
は五指に見たない状況であった。現在のインターネットの普及については言う
を俟たない。ワールドワイド・ウェブもまた、HTMLが1989年にはじめて定義さ
れたことを考えるならば、本書初版刊行の以降のことでありながら、もはや常
識化した部分であると思われる。この変化の意義は、端的には本書において
「知の外在化」という大項目が追加されたことから理解されるであろう。
 今回の改訂は、以上にあげた変貌を可能なかぎり反映させようとしたものであ
り、まさにそれこそが改訂の理由なのである。
 今回の改訂にあたっても、以前と同様に著者の方々にお願いしたことは、執筆
の際に個人的な調子(personal tone)を盛り込むことであった。人工知能の現
在の研究分野の広がりを考えると、このような事典の項目は膨大になる。かつ、
さまざまな概念が人工知能以外の分野とも共有され、かつ、広範な背景をもっ
ており、その記述は、公平を期そうとするならば平板になり、完璧を期そうと
するならば断片的記述の無定見な集約になりかねない。この弊を回避し、かつ
「読む」ことができる「事典」を目指そうという編集方針は、執筆者が各項目
について、独自のオリジナルな視点から概念、モデル、ソフトウェア、プロジェ
クト、人物を紹介、記述することを要請することになった。この方針は、初版
以来のものであるが、今回の改訂版においてはさらにその意味が増したと信じ
ている。このような方針をご理解いただき、各項目について興味深い記述をお
寄せいただいた執筆者の方には、出版遅延のお詫びもかねつつ、ここで深く感
謝したい。
 このような改訂の方針がほぼ定まったところで、編集委員の増強の必要性が認
識されることになり、東京都立科学技術大学の高間と、筑波大学の大澤が参加
することになった。この二人の参加によって今回の改訂はより適切なものになっ
たと考える。残りの編集委員は15年前のままであるが、研究の場所、立場はか
なり変化した。しかし、本書への関心に変化がなく、全員が再度この分野の全
体について見直す機会を得たことは貴重な経験であった。
 このような「事典」の必要性、有用性について、編集委員は確信をもっている
が、出版者・編集者の立場からその意義を理解され、かつ、多岐にわたる権利
関係を整理、処理するだけでなく、みずから編集、製作の段階まで意を尽くさ
れた共立出版 小山 透さんとスタッフのみなさんには、最後になってしまったが
この場を借りて感謝したい。

                               2003年1月
                       編集委員代表  土屋 俊

●項目一覧●

内容説明

1988年12月、UPU社から出版された定評の書『AI事典』を15年ぶりに全面改訂。わが国を代表する気鋭の編集委員7人がAIの枠組みを見直し、あらためて15の大項目として分類。AIの歴史‐中核‐基礎を成すキーワード192を事物項目で解説。AIのキーパーソン92名を人物項目で紹介。多様なジャンルから、180人にのぼる第一級の豪華な執筆者が参画。

目次

歴史
世界内存在
外在化した知
コミュニケーション
エージェント
ゲーム
発見と学習
推論と知識
知覚と記憶
論理〔ほか〕

著者等紹介

土屋俊[ツチヤシュン]
1952年10月30日、東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学。千葉大学文学部行動科学科・教授・文学修士

中島秀之[ナカシマヒデユキ]
1952年11月14日、兵庫県西宮市生まれ。東京大学大学院工学系研究科情報工学専門課程博士課程修了。産業技術総合研究所サイバーアシスト研究センター研究センター長・工学博士

中川裕志[ナカガワヒロシ]
1953年1月15日、千葉県船橋市生まれ。東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻博士課程修了。東京大学情報基盤センター図書館電子化研究部門・教授・工学博士

橋田浩一[ハシダコウイチ]
1958年9月24日、愛媛県今治市生まれ。東京大学大学院理学研究科情報科学専攻博士課程修了。産業技術総合研究所サイバーアシスト研究センター副研究センター長・理学博士

松原仁[マツバラヒトシ]
1959年2月6日、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。公立はこだて未来大学・教授・工学博士

大沢幸生[オオサワユキオ]
1968年4月1日、京都生まれ。東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了。筑波大学大学院ビジネス科学研究科・助教授・博士(工学)

高間康史[タカマヤスフミ]
1971年5月31日、岡山県津山市生まれ。東京大学大学院工学系研究科電子情報工学専攻博士課程修了。東京都立科学技術大学工学部電子システム工学科・助教授・博士(工学)
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