完全WKB解析入門

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完全WKB解析入門

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  • サイズ A5判/ページ数 264p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784320116139
  • NDC分類 413.6
  • Cコード C3041

出版社内容情報

“発散級数”を積極的に活用することで初めて見える世界を案内する。

完全WKB解析とは、微分方程式に代表される関数方程式の解の大域的な性質を、発散級数の活用により研究する解析学の一分野である。WKBは3人の物理学者ウェンツェル(Wentzel)、クラマース(Kramers)、ブリュアン(Brillouin)の頭文字に由来する。この3名が1926年頃に量子力学の基本方程式であるシュレディンガー方程式の固有値問題の解析において用いた近似解が、後にWKB解と呼ばれた。これが完全WKB解析の起源となる。

完全WKB解析は1980年代終わり頃から純粋に数学として発展し、2階フックス型線型常微分方程式のモノドロミー行列の計算、高階線型微分方程式やパンルヴェ方程式の解の接続問題などで大きな成果を挙げた。近年では団代数、位相的漸化式、多重ゼータ値、差分方程式などとの関連が注目されている。また、物理学の分野では、場の量子論やブラックホールの研究など、幅広い活用例がある。

本書では、完全WKB解析の基礎事項を解説したのち、ガウスの超幾何微分方程式への応用を紹介する。超幾何微分方程式と完全WKB解析の関係を明らかにすることで、超幾何関数に対しても新たな知見を得ることができる。付録には、2階線型常微分方程式のストークス曲線を描画するコンピュータプログラムを掲載した。統一的な立場から接続問題を取り扱う完全WKB解析が、多様な可能性を秘めていることを紹介する一冊である。


【目次】

まえがき

第0章 準備と完全WKB解析の背景
0.1 本書で基礎となる関数
   0.1.1 対数関数・冪関数
   0.1.2 ガンマ関数
   0.1.3 代数関数
0.2 微分方程式とWKB解
   0.2.1 1階線型常微分方程式
   0.2.2 WKB解

第1章 形式的冪級数とエアリーの微分方程式
1.1 発散冪級数
   1.1.1 形式的冪級数
   1.1.2 演算
   1.1.3 階乗評価をもつ発散級数
   1.1.4 ボレル総和法
1.2 エアリーの微分方程式
   1.2.1 形式的冪級数解
   1.2.2 積分で表される解
   1.2.3 漸近展開
   1.2.4 漸近展開の応用

第2章 完全WKB解析概説
2.1 2階線型常微分方程式のWKB解
   2.1.1 リッカチ方程式とその形式解
   2.1.2 WKB解とボレル和
   2.1.3 変わり点・ストークス曲線
   2.1.4 単純変わり点におけるWKB解の正規化
   2.1.5 確定特異点におけるWKB解の正規化
   2.1.6 WKB解のボレル総和可能性とヴォロスの接続公式
   2.1.7 種々の正規化の関係
   2.1.8 接続公式の応用―モノドロミー行列の計算
2.2 エアリーの微分方程式の完全WKB解析
   2.2.1 WKB解
   2.2.2 WKB解のボレル変換
   2.2.3 積分表示をもつ解の書き換え
   2.2.4 WKB解のボレル和とヴォロスの接続公式
   2.2.5 WKB解のボレル和とエアリー関数の関係

第3章 超幾何微分方程式の完全WKB解析
3.1 ガウスの超幾何微分方程式
   3.1.1 超幾何級数・超幾何関数
   3.1.2 積分表示
   3.1.3 クンマーの解
   3.1.4 接続公式
   3.1.5 昇降演算子
3.2 ガウスの超幾何微分方程式に対する完全WKB解析
   3.2.1 大きなパラメータの導入
   3.2.2 対称性と例外集合
   3.2.3 超幾何微分方程式のWKB解
   3.2.4 超幾何微分方程式のストークス曲線
   3.2.5 原点のヴォロス係数
   3.2.6 ヴォロス係数のボレル和
   3.2.7 \hat{V}_{0,\leqq0}の具体形
3.3 超幾何関数とWKB解の関係
   3.3.1 劣勢WKB解と超幾何関数の関係
   3.3.2 優勢WKB解とクンマーの解の関係
   3.3.3 超幾何関数のパラメータに関する漸近展開
   3.3.4 パラメータに関するストークス現象

目次

第0章 準備と完全WKB解析の背景(本書で基礎となる関数;微分方程式とWKB解)
第1章 形式的冪級数とエアリーの微分方程式(発散冪級数;エアリーの微分方程式)
第2章 完全WKB解析概説(2階線型常微分方程式のWKB解;エアリーの微分方程式の完全WKB解析)
第3章 超幾何微分方程式の完全WKB解析(ガウスの超幾何微分方程式;ガウスの超幾何微分方程式に対する完全WKB解析)
第4章 合流型超幾何微分方程式の完全WKB解析(クンマーの合流型超幾何微分方程式;完全WKB解析)

著者等紹介

青木貴史[アオキタカシ]
1981年 東京大学大学院理学系研究科数学専攻博士課程 修了。理学博士。現在 近畿大学 名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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