有向パーコレーションの数理―相転移と臨界現象の厳密証明

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有向パーコレーションの数理―相転移と臨界現象の厳密証明

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  • サイズ A5判/ページ数 224p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784320116115
  • NDC分類 417.1
  • Cコード C3041

出版社内容情報

DP普遍性クラスの代表モデルに特化し、数学的に厳密な解析を網羅した本格的専門書。

相転移・臨界現象は、統計力学および確率論における最重要テーマの一つである。本書は、感染症や森林火災などの伝搬や流体の層流・乱流相転移など、幅広い現象を記述する「DP(有向パーコレーション)普遍性クラス」の代表モデルに特化し、数学的に厳密な解析を網羅した本格的専門書である。

最大の特長は、2025年現在で最新の研究成果と証明手法を和書として初めて体系的に解説している点にある。フィールズ賞受賞者のDuminil-CopinとTassionによる臨界点の一意性の革新的な別証明をはじめ、秩序変数(パーコレーション確率、感受率)の連続性証明、複雑な相互作用を解きほぐすレース展開の厳密な解析、高次元1-arm指数の退化、1次元空間におけるハイパースケーリングの導出まで、現代確率論の最前線へと読者を導く。

構成としては、平均場モデルである「分枝過程・分枝ランダムウォーク」の完全解析を出発点に、三種の神器(Russoの公式、Harrisの不等式、BK不等式)を駆使して相転移(臨界点の一意性と秩序変数の連続性)を厳密に証明する。後半ではレース展開の威力とハイパースケーリングの深淵に迫る。

確率幾何的な直観を助ける図版も多数収録。意欲的な学部生から大学院生、第一線の研究者まで、未解決の難問が山積する臨界現象の真髄に触れるための必携の一冊である。


【目次】

第I部 導入と平均場近似:厳密解析の出発点

第1章 有向パーコレーションの現象論と秩序変数
1.1 感染症モデルと有向パーコレーションの直感的理解
1.2 普遍性クラスという視点:伝搬現象から乱流まで
1.3 相転移・臨界現象を測る「秩序変数」の導入
1.4 相互作用の困難:なぜ厳密な解析は難しいのか

第2章 現代確率論からの準備
2.1 確率空間
2.2 確率変数と期待値
2.3 独立性と条件つき確率・期待値
2.4 いろいろな収束モード

第3章 平均場モデルの完全解析:分枝過程と分枝ランダムウォーク
3.1 空間効果をもたない増殖:分枝過程の生残確率
3.2 空間への拡散:分枝ランダムウォークのスケーリング極限
3.3 平均場臨界指数と普遍性への問い


第II部 相転移の厳密証明:「三種の神器」と臨界点の一意性

第4章 空間効果の厳密な定式化
4.1 確率空間の構成と一様乱数系による表現
4.2 単調増加事象とその性質
4.3 相転移の存在:二つの臨界点
4.4 緩和時間の一意性

第5章 ブレイクスルー:臨界点の一意性
5.1 長年の未解決問題と歴史的背景
5.2 Duminil-CopinとTassionによる革新的証明法

第6章 秩序変数の連続性と相関不等式
6.1 パーコレーション確率の左連続性
6.2 臨界感受率の発散と神器(3):BK不等式


第III部 高次元における厳密解析:レース展開の威力

第7章 平均場臨界現象への退化とトライアングル条件
7.1 臨界指数を決定づけるトライアングル条件
7.2 2点関数のFourier・Laplace変換
7.3 2点関数の赤外評価による臨界指数の導出

第8章 複雑な相互作用を解きほぐす:レース展開
8.1 包含排除による2点関数のレース展開の導出
8.2 レース展開係数がみたすべき総和・モーメント条件
8.3 レース展開係数のダイアグラム評価
8.4 ブートストラップ論法による赤外評価の完結
8.5 発展:臨界多点関数の超ブラウン運動への収束


第IV部 低次元臨界現象:ハイパースケーリング

第9章 低次元における臨界現象
9.1 次元と臨界指数の関係:ハイパースケーリング
9.2 1次元における臨界縦断確率・臨界横断確率の同時非退化性

目次

第1部 導入と平均場近似―厳密解析の出発点(有向パーコレーションの現象論と秩序変数;現代確率論からの準備;平均場モデルの完全解析―分枝過程と分枝ランダムウォーク)
第2部 相転移の厳密証明―「三種の神器」と臨界点の一意性(空間効果の厳密な定式化;ブレイクスルー―臨界点の一意性;秩序変数の連続性と相関不等式)
第3部 高次元における厳密解析―レース展開の威力(平均場臨界現象への退化とトライアングル条件;複雑な相互作用を解きほぐす―レース展開)
第4部 低次元臨界現象―ハイパースケーリング(低次元における臨界現象)

著者等紹介

坂井哲[サカイアキラ]
2000年 東京工業大学大学院理工学研究科応用物理学専攻 修了。2020年 北海道大学大学院理学研究院数学部門教授。博士(理学)。専門、確率論、統計力学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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