出版社内容情報
対称多項式の基礎から、最先端の内容である非可換シューア関数理論までを易しく解説。
対称多項式は数学の多様な分野で用いられる対象であり、その性質は代数方程式の解法や組合せ論に深く関わっている。対称多項式にはさまざまな種類があり、それらに名前を付けて整理するのにヤング図形が役立つ。
本書は、学部レベルの線形代数・代数学の知識を前提としてMacdonaldの教科書の内容を踏襲しながらも、余代数や双代数といった難解な部分に解説を加えることで、対称多項式の入門書を目指した。「解と係数の関係」として対称多項式に触れたことがある読者も、より広い応用を見つけることができるように工夫している。
本書のもう一つのテーマは非可換シューア関数の紹介である。重要なFomin-Greeneの定理を中心に、非可換変数でも従来の対称多項式理論と類似の構造が構築できることを示す。