出版社内容情報
「公式」と「例題」を通して、微分積分と線形代数の基本的な考え方+αが学べる入門書
本書は、数学的な厳密性は避けながら、必要な部分をシンプルに理解し、使えるようになることを目標に書かれている。前半の微分積分では、1変数関数の連続性、微分、平均値の定理、テイラー展開、極値問題という微分の一連の流れがシンプルに解説され、その流れを踏まえて2変数以上の関数への拡張を行う。その後、不定積分、定積分、重積分と進み、最後に独立した単元として三角関数の微積分が扱われる。後半の線形代数では、2次正方行列について、逆行列、行列式、行列の固有値と対角化が一通り解説され、その流れを踏まえてn次行列への拡張を行う。その後、行列式とその性質、固有値と固有ベクトルと進み、最後に抽象的なベクトル空間が扱われる。
各章末には130題を超える豊富な演習問題があり、統計学の既刊本と同様、著者のサポートページですべての解答例が公開されている。理解度を確かめる助けとなるだろう。理工系の学部1~2年生、経済学部などで微積分(ミクロ経済や統計)・線形代数(計量経済)が必要な学部3年生~院生、統計検定?を目指す方などの数学の基礎固めによい。
例えば、一から本格的に統計学を学びたい方は、本書の第1~4章および第6~9章で数学の基礎を、『公式と例題で学ぶ統計学入門』で統計学の基礎を十分に固めてから、『データ解析のための数理統計入門』そして『現代数理統計学の基礎』へとステップアップしていく学習ルートが考えられる。
本書は、「数理統計学の本が読めるための数学を身につけること」をゴールとしつつ、公式の証明や抽象的なベクトル空間にも踏み込んだ「幅広い学問に立ち向かうための基礎としての数学を身につけること」にも応える内容となっている。
※ 「統計検定」は、一般財団法人 統計質保証推進協会の登録商標です。
目次
第1章 1変数関数の微分
第2章 1変数関数のテイラー展開と極値問題
第3章 2変数関数の微分
第4章 積分
第5章 三角関数の微積分
第6章 2次元ベクトルと2×2行列
第7章 n次元ベクトルと一般の行列の演算
第8章 行列式
第9章 固有値と固有ベクトル
第10章 抽象的なベクトル空間と線形写像
著者等紹介
久保川達也[クボカワタツヤ]
1987年筑波大学大学院数学研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院経済学研究科教授。理学博士。専攻:統計学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。