出版社内容情報
本書は、好評書『現代数理統計学の基礎』の著者による、データ解析のための数理統計の基礎をわかりやすく解説する書籍である。難易度は前著よりもやや下がり、統計検定でいうと準1級レベルとなる。
前半では、確率、確率変数、確率分布、期待値と共分散、大数の法則と中心極限定理などの基礎知識と必要な道具を学習した上で、パラメータの推定や信頼区間、仮説検定などの推測統計の方法を説明する。後半では、線形回帰、ロジスティック回帰、分散分析、ベイズ統計とMCMC法、ブートストラップ法、ノンパラメトリック検定、生存時間解析、多変量解析などの様々なトピックを扱い、統計分析の幅広い知識と手法を述べる。ウィルス検査などの具体的な数値も要所要所に交え、また各章末に基礎的な問題を豊富に用意して、知識を定着しやすくしている。
目次
確率モデル
確率変数と確率分布
2変数の同時確率分布
期待値と積率母関数
統計モデルとデータの縮約
大数の法則と中心極限定理
正規分布から導かれる分布
パラメータの推定
仮説検定と信頼区間
カイ2乗適合度検定と応用例
回帰分析―単回帰モデル
重回帰モデル
ロジスティック回帰とポアソン回帰
ベイズ統計とMCMC法
分散分析と多重比較
分布によらない推測法
多変量解析手法
著者等紹介
久保川達也[クボカワタツヤ]
1987年筑波大学大学院博士課程数学研究科修了。現在、東京大学大学院経済学研究科教授。理学博士。専攻:統計学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶう
12
統計検定1級の参考書として人気の『現代数理統計学の基礎』の著者による、データ解析のための数理統計の基礎をわかりやすく解説する書籍。理論中心の前著と比較して難易度はやや下がり、統計検定準1級レベルを意識した内容となっている。統計検定準1級の公式テキストであるワークブックの代わりに使えるかとなると、時系列分析については書かれていないなど、教科書とし使うには若干足りない部分があるのは否めない。同じ内容でも違う角度から見れて理解が深まるので、公式ワークブックを補う副読本的な使い方をするのが良さそう。2024/02/09
MrO
2
入門とは言え、それなりの数学的な素養というか、数式の色が見えないと、なかなかに厳しい。しかし、それを補うのが、ふんだんに用意されている練習問題で、解答も別ファイルながら詳しいものが用意されている。著者の誠実な人柄が反映している。ガチで理論的な背景を理解したい人むけ。2024/03/03